市場経済において、金利は、為替レートとともに、資源の配分を大きく左右する重要な「価格」である。金利の自由化は、以下の理由から、市場経済を目指す中国にとっては避けて通れない課題である。まず、金利の自由化により資金の利用効率が改善される。金利が低水準に規制されている場合、資金に対する需要が供給を上回り、銀行は市場原理に依らない方法で資金を割り当てることになる。その結果、資金はリスクが低いが収益性も低いプロジェクトに集中しがちである。金利の自由化が進めば、銀行は借り手のリスクに見合った金利水準を決めることができるようになり、多くの民営企業も融資の対象となるだろう。