昆山の爆発事故、ネット上に「GDP至上主義が起こした災いだ」の声も=中国メディア
中国メディア・経済参考報は5日、2日に江蘇省昆山市の金属製品工場で発生した粉じん爆発事故について、ネットユーザーから「GDP至上主義が招いた災いだ」との声が挙がったことを報じた。
記事は、爆発事故によって4日までに75人が死亡、185人が負傷したことを伝えるとともに、ネットユーザーから「企業の責任者が安全を重視していれば事故は完全に回避できた」といった意見や、利益を追求する企業をコントロールせず、自らも利益を求める政府の責任を追及する声が出たことを紹介した。
ネットユーザーらはまた、事故の2カ月前に1度火災が発生していたにもかかわらず、企業はおろか安全監督当局さえ安全リスクの検査を実施しなかったこと、従業員からしばしば安全リスクにかんする通報があったのに当局が営業停止処分を下さなかったことなどを指摘。検査を行うべき当局が「賄賂を受取っていたことが事故の根源」といった声もあった。
記事はさらに、GDPを唯一の目標とし、環境破壊を顧みない“発展モデル”を変えない限り、このような事故はなくならないという意見も取り上げた。そして「今回の事故は、急速な工業化に埋もれた管理の欠陥、生産リスクを浮き彫りにさせた。制度が機能する管理環境づくりを進め、最も厳しい責任追及を実施することが、中国が現代化の道を進み、生命の安全を守るうえでの当面の急務だ」とするコメントを紹介した。
台湾・高雄でのガス爆発事故の翌日に発生した昆山の爆発事故。3日には雲南省で大地震が発生して400人ちかい死者が出ている。先月には新疆ウイグル自治区でテロとみられる暴力事件が発生したほか、広東省広州市で路線バスの爆発事件が起きた。災害、事故、事件が相次ぐなか、多くの中国市民が一番に求めているのは、わが身の安全を守ってくれる存在ではないだろうか。(編集担当:今関忠馬)
中国メディア・経済参考報は5日、2日に江蘇省昆山市の金属製品工場で発生した粉じん爆発事故について、ネットユーザーから「GDP至上主義が招いた災いだ」との声が挙がったことを報じた。
china,accident,opinion,social_issues
2014-08-05 16:30