山田コンサルティンググループは1月高値突破して07年7月以来の3000円台乗せ
経営・財務・M&Aなど各種コンサルティング事業を展開する山田コンサルティンググループ <4792> (JQS)の株価は、3月安値1897円から反発して強基調に転換し、7月中旬以降は上げ足を速めて高値更新の展開だ。7月24日に2768円を付けて1月高値2690円を突破し、7月28日には3040円まで上値を伸ばした。07年7月以来の3000円台だ。高配当利回りや自己株式取得も支援材料であり、中期成長力を評価して上値追いの展開だろう。
各種コンサルティング事業を展開するグループの純粋持株会社である。山田ビジネスコンサルティングの経営コンサルティング事業(経営・財務・企業再生・事業承継・M&A支援・資本政策などのコンサルティング)、山田FASの資本・株式・株主に関するコンサルティング事業(バリュエーション業務、M&A・企業再編の財務アドバイザイリー業務、上場支援業務、中堅中小企業対応M&A関連業務など)、山田不動産コンサルティングの不動産コンサルティング事業(不動産有効活用などのコンサルティング、不動産仲介、住宅販売仲介など)、東京ファイナンシャルプランナーズのFP関連事業(FP資格取得講座・実務研修、相続手続サポート業務など)、キャピタルソリューションおよび投資事業有限責任組合の投資ファンド事業(事業承継ファンド)などを展開している。
中期経営目標としてROE(株主資本当期純利益率)20%以上を掲げ、重点戦略としては、大手金融機関・証券会社・地方金融機関・提携会計事務所との連携強化、事業再生・事業承継を切り口とした中堅中小企業対応M&A関連業務の拡大、中国現地法人およびシンガポール支店を拠点とした中国・アジア展開の強化などを推進している。投資ファンド事業では、事業承継問題を抱えている優良な中堅・中小企業をターゲットとして、投資リスクを最小限に抑えながら投資案件を発掘している。
7月29日に発表した今期(15年3月期)第1四半期(4月~6月)の連結業績は、売上高が前年同期比27.6%増の20億86百万円、営業利益が同47.8%増の5億33百万円、経常利益が同48.6%増の5億24百万円、純利益が同29.8%減の3億26百万円だった。純利益は前年同期に計上した関係会社株式売却益2億50百万円の一巡で減益だが、大型M&A仲介案件も寄与して大幅営業増益だった。
セグメント別の売上高(内部取引含む)を見ると、経営コンサルティング事業は受注が順調に推移して同4.2%増の12億97百万円、資本・株式・株主に関するコンサルティング事業は大型M&A仲介案件が寄与して同3.1倍の3億90百万円、不動産コンサルティング事業は提携会計事務所との連携による不動産売買仲介案件の受注が順調で同87.5%増の2億10百万円だった。FP関連事業は1億66百万円で同9.2%減収だったが、法人マーケットでの受注は順調のようだ。また投資ファンド事業は40百万円(前年同期は3百万円)だった。投資先1社の株式を売却したが、投資損益は発生しなかった。
通期の連結業績見通しは前回予想(5月8日公表)を据え置いて、売上高が前期比3.2%増の80億円、営業利益が同3.2%増の17億70百万円、経常利益が同0.1%増の18億円、純利益が同33.4%減の10億80百万円としている。配当予想は年間90円(第2四半期末45円、期末45円)で、13年10月1日付の株式100分割を考慮すると実質的に前期比10円増配となる。
今期は投資ファンド事業で投資株式のイグジットを見込まず、純利益については前期計上した関係会社株式売却益や子会社間合併に伴う繰延税金資産計上の一巡で減益見込みだが、専門コンサルとしての認知度向上などで、主力の経営コンサルティング事業が好調に推移して全体を牽引する。資本・株式・株主に関するコンサルティング事業、不動産コンサルティング事業、FP関連事業も堅調に推移する見込みだ。大型案件の計上や投資ファンド事業のイグジットで収益が変動する可能性もあるが、好業績が期待されるだろう。
なお5月8日に発表した自己株式取得(取得株式総数の上限10万株、取得価額総額の上限20億円、取得期間14年6月1日~15年3月20日)については、7月1日~7月31日の期間に5900株(取得価額総額1678万6700円)を取得し、7月31日時点の累計取得株式総数5900株、取得価額総額1678万6700円となった。
株価の動きを見ると、3月安値1897円から反発して強基調に転換し、7月中旬以降は上げ足を速めて高値更新の展開となった。7月24日に2768円を付けて1月高値2690円を突破し、7月28日には3040円まで上値を伸ばした。07年7月以来の3000円台だ。今期の大幅営業増益見通し、増配予想、自己株式取得、そして中期成長力を評価する動きだろう。
8月5日の終値2930円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS223円04銭で算出)は13倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間90円で算出)は3.1%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1518円77銭で算出)は1.9倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形だ。高配当利回りも支援材料であり、上値追いの展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
経営・財務・M&Aなど各種コンサルティング事業を展開する山田コンサルティンググループ<4792>(JQS)の株価は、3月安値1897円から反発して強基調に転換し、7月中旬以降は上げ足を速めて高値更新の展開だ。
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2014-08-06 09:15