インフォマートは一服局面だが、自律調整一巡して動意のタイミング
企業間電子商取引プラットフォームを提供するインフォマート <2492> (東マ)の株価は、7月2日の2377円まで上値を伸ばした後、利益確定売りで上げ一服局面だが、概ね2100円~2200円近辺で堅調に推移している。中期成長力を評価する流れに変化はなく、自律調整が一巡して動意のタイミングであり、上値追いの展開だろう。
フード業界向けプラットフォーム「FOODS info Mart」で、企業間(BtoB)電子商取引の「ASP受発注システム」「ASP規格書システム」「ASP商談システム」「ASP受注・営業システム」「クラウドサービス」を提供している。月額システム使用料収入が収益柱のストック型収益モデルだ。
14年6月末時点の「FOODS info Mart」利用企業数(海外事業を除く)は、13年12月末比1570社増加して3万5772社(売り手企業が同1364社増加して2万8621社、買い手企業が同206社増加して7151社)となった。電話やFAXからWebに切り替えて受発注する企業・店舗が着実に増加している。
大手の食材卸売企業や外食・中食チェーンでも「FOODS info Mart」利用企業が増加基調である。中期目標として年間システム取引高1兆円を掲げ、全国のホテル・給食業界への利用企業開拓も強化している。13年の年間システム取引高は12年比16.6%増加の8618億円で、外食産業における仕入金額ベースのシェアは12.4%だった。14年の年間システム取引高は9400億円の計画であり、中期目標の1兆円は15年に達成の可能性が高まっている。
クラウドサービスを展開する子会社インフォライズと協同で、14年2月に国内外のフード業界関連企業向け総合マーケティングサービス「BtoB F-Marketing」を開始し、14年4月にフード業界向け情報発信の総合ポータルサイト「フーズチャネル」を開設した。海外事業は、子会社インフォマートインターナショナル(香港)が14年4月、台湾進出の日系企業向けに台湾版「FOODS info Mart」のサービス提供を本格的に開始した。
中期成長に向けた戦略としては、業界標準化に向けたフード業界向けBtoBビジネスの強化、戦略子会社2事業の黒字化、他業界BtoB展開として美容業界向け「BEAUTY info Mart」や医療業界向け「MEDICAL info Mart」による事業領域拡大、次世代「BtoB&クラウドプラットフォーム」の始動(13年9月リリース)を推進している。アライアンス戦略では13年5月にJFEシステムズ <4832> 、13年6月に東芝テック <6588> 、13年11月に東京システムハウスとデータ連携した。
7月31日発表の今期(14年12月期)第2四半期累計(1月~6月)連結業績は、売上高が前年同期比14.4%増の23億64百万円、営業利益が同58.4%増の8億41百万円、経常利益が同54.6%増の8億34百万円、純利益が同56.4%増の5億03百万円だった。
国内各システムの利用拡大によりシステム使用料が順調に増加した。システム別に見ると、主力のASP受発注システムが同11.3%増収、ASP規格書システムが同28.9%増収、ASP商談システムが同8.9%増収、ASP受注・営業システムが同19.4%増収、クラウドサービスが同43.4%増収だった。利益面では増収効果に加えて、13年9月の次世代プラットフォームのリリースに伴い、既存シテムの期間短縮による償却が前期末に完了し、減価償却費が減少したことも寄与した。
通期の連結業績見通しは前回予想(2月14日公表)を据え置いて、売上高が前期比20.1%増の52億12百万円、営業利益が同85.9%増の20億35百万円、経常利益が同83.0%増の20億26百万円、そして純利益が同92.4%増の12億14百万円としている。配当予想は年間19円38銭(第2四半期末9円69銭、期末9円69銭)で、13年7月1日付の株式2分割および14年1月1日付の株式2分割を考慮すると、実質的に8円82銭増配となる。
ASP受発注システムなど各システムの利用企業・店舗数増加に伴ってシステム使用料収入が増加基調であり、アライアンスパートナーからの紹介による新規稼動数も増加傾向を強めている。既存プラットフォームの期間短縮償却が前期末に完了したため、ソフトウェア償却費が減少することも利益押し上げ要因となる。人件費増加などを吸収して大幅増収増益見込みだ。
株価の動きを見ると、短期的な自律調整を挟みながら高値更新の展開が続いている。6月3日に2010円を付けて14年1月の2000円を突破し、7月2日の2377円まで上値を伸ばした。その後は利益確定売りで上げ一服の局面となったが、概ね2100円~2200円近辺で堅調に推移している。中期成長力を評価する流れに変化はないだろう。
8月5日の終値2221円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS38円76銭で算出)は57倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間19円38銭で算出)は0.9%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS110円28銭で算出)は20倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形だ。自律調整が一巡して動意のタイミングであり、上値追いの展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
企業間電子商取引プラットフォームを提供するインフォマート<2492>(東マ)の株価は、7月2日の2377円まで上値を伸ばした後、利益確定売りで上げ一服局面だが、概ね2100円~2200円近辺で堅調に推移している。
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2014-08-06 09:30