イーピーミントは年初来高値更新して13年10月高値に接近
SMO(治験施設支援機関)大手のイーピーミント <6052> (JQS)の株価は、7月11日に1530円を付けて1月の1529円を突破した。さらに7月31日には1685円まで上値を伸ばして13年11月の1680円を上抜き、13年10月の1765円に接近した。その後は利益確定売りで一旦反落したが、収益改善を評価する流れに変化はなく上値追いの展開だろう。9月期末一括で2%台の配当利回りも支援材料だ。
イーピーエス <4282> の連結子会社で、臨床試験を実施する医療機関向けサイトサポート業務(治験事務局運営管理)やCRC(臨床試験実施をサポートする治験コーディネーター)業務などのSMO事業を主力として、臨床研究なども展開している。がん・循環器系・脳神経外科などの高難易度領域に強みを持ち、全国展開によるネットワークで前期(13年9月期)末の契約医療施設数は約2500施設に達している。
重点戦略として、大病院など優良医療機関との提携拡大や新規開拓、治験体制の整備、がん領域の拡大、プロジェクト管理体制の強化と生産性向上、臨床研究への取り組み強化と受託拡大を推進している。M&A・アライアンス戦略では13年3月に綜合臨床サイエンスと業務提携して、地域・疾患領域・提携医療機関の種類などで補完体制を構築している。
7月31日発表の今期(14年9月期)第3四半期累計(10月~6月)業績(非連結)は売上高が前年同期比14.0%増の48億04百万円、営業利益が同4.2倍の7億41百万円、経常利益が同4.1倍の7億48百万円、純利益が同5.3倍の4億10百万円だった。事業別売上高はSMOが46億11百万円、その他が1億93百万円だった。高難易度領域を中心に受注が堅調であり、プロジェクト管理体制強化なども寄与して営業損益が大幅に改善した。売上総利益率は33.1%となり同10.4ポイント改善した。
通期の業績(非連結)見通しは前回予想(13年11月6日公表)を据え置いて、売上高が前期比14.0%増の65億円、営業利益が同2.2倍の9億円、経常利益が同2.2倍の9億08百万円、そして純利益が同2.4倍の5億63百万円で、配当予想は13年10月1日付の株式2分割を考慮すると実質的に同7円50銭増配の年間35円(期末一括)としている。
受注高の計画は同18.4%増の70億46百万円で、期末の受注残高は同6.9%増の84億15百万円となる見込みだ。優良医療機関との提携拡大などの施策も奏功して受注は高難易度領域が堅調であり、前期低調だった生活習慣病領域も回復傾向を強めているようだ。利益面では増収効果に加えて、プロジェクト管理体制強化、人員配置効率化、稼働率上昇、生産性向上などが寄与して売上総利益率が大幅に改善する見込みだ。
通期見通しに対する第3四半期累計の進捗率は売上高が73.9%、営業利益が82.3%、経常利益が82.4%、純利益が72.8%である。第4四半期(7月~9月)以降も売上総利益率の改善が継続し、通期営業利益上振れの可能性が高いだろう。
SMO市場は拡大基調であり、当社を含むSMO大手3社による寡占化も進展しているようだ。良好な事業環境を背景として、親会社イーピーエスおよびグループ各社との連携も強化しながら、中期目標値として18年9月期の売上高80億円~100億円を掲げている。収益拡大基調だろう。
株価の動きを見ると、7月11日に1530円を付けて1月の1529円を突破した。さらに7月31日には1685円まで上値を伸ばして13年11月の1680円を上抜き、13年10月の1765円に接近した。その後は利益確定売りで一旦反落したが、収益改善を評価する流れに変化はないだろう。
8月6日の終値1518円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想EPS146円56銭で算出)は10~11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間35円で算出)は2.3%近辺、前期実績PBR(前期実績BPS922円84銭で算出)は1.6倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって強基調の形だ。また日足チャートで見ると25日移動平均線近辺まで調整して反発のタイミングだろう。9月期末一括で2%台の配当利回りも支援材料であり、収益改善を評価して上値追いの展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
SMO(治験施設支援機関)大手のイーピーミント<6052>(JQS)の株価は、7月11日に1530円を付けて1月の1529円を突破した。
economic
2014-08-07 09:00