立花エレテックは7月高値後に上げ一服だが堅調推移、ロボット関連としても注目
電機・電子技術商社の立花エレテック <8159> (東1)の株価は、7月8日に1431円を付けて14年1月高値1420円を上抜いた。その後は上げ一服の形となったが、概ね1350円~1400円近辺で堅調に推移している。好業績、低PER、低PBRも支援材料であり、1400円近辺のフシを突破して上げ足を速めそうだ。ロボット関連としても注目されるだろう。
FAシステム事業、半導体デバイス事業を主力として、施設事業、産業デバイスコンポーネント事業(情報通信事業から名称変更)、その他事業(ソリューション事業とMS事業)を展開している。MS(マニュファクチャリング・サービス)事業は13年4月に、金属加工の製造受託(MMS)と電子機器の製造受託(EMS)を統合して新設した。
積極的なM&A戦略を推進し、10年にはFA機器専門商社の大電社を完全子会社化、12年6月には関東圏を地盤とするFA機器専門商社の高木商会と資本・業務提携(持分法適用会社)、13年2月にはルネサスエレクトロニクス <6723> の販売子会社からコンポーネント事業と半導体製品再販事業の移管を受けて立花デバイスコンポーネントを設立した。
7月31日には固定資産の取得を発表した。東京鐵骨橋梁から東京都港区内の土地・建物を約17億円で取得した。首都圏での営業拡大に向けて東京支社として使用する。14年3月の増資で調達した10億66百万円は、本件購入資金として全額充当する。
7月31日に発表した今期(15年3月期)第1四半期(4月~6月)の連結業績は、売上高が前年同期比6.7%増の320億75百万円、営業利益が同74.8%増の9億60百万円、経常利益が同17.0%増の11億77百万円、純利益が同18.9%増の8億48百万円だった。主力の設備投資関連や電子デバイス関連などが好調に推移して大幅営業増益だった。
セグメント別売上高を見ると、FAシステム事業は同2.3%増の143億82百万円、半導体デバイス事業は同9.1%増の129億86百万円、施設事業は同6.9%増の25億62百万円、産業デバイスコンポーネント事業は同6.1%増の9億33百万円、その他は同48.9%増の12億10百万円だった。このうち海外売上高は同7.5%増の58億89百万円だった。
通期の連結業績見通しについては、前回予想(5月12日公表、5月19日に一部訂正)を据え置いて売上高が前期比2.9%増の1460億円、営業利益が同9.9%増の48億円、経常利益が同5.0%減の53億50百万円、純利益が同3.4%減の37億円で、配当予想は特別配当1円を落として同1円減の年間22円(第2四半期末11円、期末11円)としている。
セグメント別売上高の計画については、FAシステム事業が同2.3%増の683億円、半導体デバイス事業が同2.4%増の531億円、施設事業が同6.5%増の140億円、産業デバイスコンポーネント事業が同4.0%減の52億円、その他事業が同14.4%増の54億円としている。
円安効果の一巡や消費増税の影響なども考慮して、経常利益と純利益は減益見通しとしているが、会社見通しは保守的な印象が強い。通期見通しに対する第1四半期の進捗率は売上高が22.0%、営業利益が20.0%、経常利益が22.0%、純利益が22.9%である。設備投資関連は年度末にあたる第4四半期(1月~3月)の構成比が高い傾向を考慮すれば、概ね順調な水準と言えるだろう。設備投資需要が高水準であり、FAシステム事業や半導体デバイス事業が好調に推移し、好採算分野の受注増加も寄与して通期上振れ余地があるだろう。
重点戦略としては、技術商社の強みを活かして海外ビジネスの拡大、グループシナジーの追求、事業領域の拡大、徹底した営業力強化と体質改善推進などを推進している。分野別に見るとFAシステム事業ではロボット関連の強化、半導体デバイス事業では品揃え強化、施設事業では年間売上高150億円への挑戦、産業デバイスコンポーネント事業では事業再構築などを掲げている。7月10日には、食品工場の箱詰め作業をロボットで自動化したロボット・メカトロソリューションの導入事例を公開している。ロボット関連としても注目されるだろう。
株価の動きを見ると、5月の直近安値1140円から7月8日の1431円まで切り返し、14年1月高値1420円を上抜いた。その後は上げ一服の形となったが、概ね1350円~1400円近辺で堅調に推移している。好業績を評価する動きだろう。
8月6日の終値1341円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS170円63銭で算出)は7~8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間22円で算出)は1.6%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS2130円80銭で算出)は0.6倍近辺である。週足チャートで見ると1400円近辺が上値フシのようだが、13週移動平均線と26週移動平均線を突破して強基調の形だ。目先的にはきっかけ待ちとなりそうだが、好業績、低PER、低PBRも支援材料であり、1400円近辺のフシを突破して上げ足を速めそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
電機・電子技術商社の立花エレテック<8159>(東1)の株価は、7月8日に1431円を付けて14年1月高値1420円を上抜いた。
economic
2014-08-07 09:15