大和小田急建設は07年2月高値を突破、事業環境を評価して上値追い

  中堅ゼネコンの大和小田急建設 <1834> の株価は、13年9月と14年3月の329円を突破して7月以降は上げ足を速めた。そして07年2月の高値399円も一気に突破して7月28日の544円まで急伸した。目先的な過熱感を強めて足元は上げ一服の形だが、高値圏の500円近辺で堅調に推移している。今期(15年3月期)営業増益見通しや中期的に良好な事業環境を評価する流れに変化はなく、上値追いの展開だろう。   大和ハウス工業 <1925> と小田急電鉄 <9007> が主要株主の中堅ゼネコンで、マンション建築、宅地開発、鉄道関連工事などを主力としている。公共インフラ補修・更新、マンション・鉄道関連耐震化、都市再開発、20年東京夏季五輪関連、リニア中央新幹線関連などで中期的に事業環境は良好だ。   7月31日に発表した今期(15年3月期)第1四半期(4月~6月)業績(非連結)は、売上高が前年同期比34.0%増の135億33百万円、営業利益が9億82百万円(前年同期は3億09百万円の赤字)、経常利益が10億82百万円(同3億32百万円の赤字)、純利益が7億07百万円(同1億85百万円の赤字)だった。第2四半期(7月~9月)に予定していた販売用不動産の前倒し売却が収益を押し上げた。貸倒引当金の戻し入れも寄与した。   通期の業績(非連結)見通しは前回予想(5月8日公表)を据え置いて、売上高が前期比17.5%増の700億円、営業利益が同15.0%増の17億円、経常利益が同9.1%減の16億円、純利益が同20.6%減の9億円、配当予想は前期と同額の年間7円(期末一括)としている。受取配当金の一巡などで経常利益と純利益は減益の見通しだが、増収効果や採算重視の選別受注の効果で労務費や資材費の上昇を吸収して営業増益見込みだ。   前期末の手持ち工事高は前々期末比44.3%増の419億16百万円と高水準であり、第1四半期の受注高も前年同期比8.4%増の126億26百万円と順調だった。選別受注の徹底や原価低減効果による完成工事(建築事業と土木事業)総利益率の上昇、ターゲットを絞った提案型営業の強化、優位性のあるエリアでの営業展開、さらに経費削減などの効果も期待される。通期会社見通しには上振れ余地があるだろう。   株価の動き(4月1日付で単元株式数を500株から100株に変更)を見ると、6月6日に330円を付けて13年9月と14年3月の高値329円を突破した。7月以降は上げ足を速める展開となり、07年2月の高値399円も一気に突破して7月28日の544円まで急伸した。目先的な過熱感を強めて足元は上げ一服の形だが、高値圏の500円近辺で堅調に推移している。今期営業増益見通しや中期的に良好な事業環境を評価する流れに変化はないだろう。   8月6日の終値493円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想EPS41円46銭で算出)は11~12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間7円で算出)は1.4%近辺、前期実績PBR(前期実績BPS585円08銭で算出)は0.8倍近辺である。目先的な過熱感を残しているが、週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって強基調だ。低PBRも支援材料であり、上値追いの展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
中堅ゼネコンの大和小田急建設<1834>(東1)の株価は、13年9月と14年3月の329円を突破して7月以降は上げ足を速めた。
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2014-08-07 09:15