ワイヤレスゲート、14年度開始の新事業にアナリストの関心集中
ワイヤレスゲート <9419> は2014年12月期第2四半期決算について、アナリスト向けの説明会を2014年8月6日に開催した。決算発表は前日の8月5日に行っている。第2四半期の連結決算は、売上高42億4百万円(前年同期比25.6%増)、経常利益4億6百万円(同11.2%増)だったが、アナリストの関心は、「Wi-Fi環境Enabler(イネーブラー)」「M2M(Machine to Machine)/IoT(Internet of Things」など、今後本格化する新事業の行方に集中した。
2014年6月末時点でのワイヤレス・ブロードバンド事業の会員数は全体で46万人。2013年6月末比で約8万人、同12月末比で約4万人増となった。Wi-Fiの会員数は横ばいだったものの、WiMAXが伸びた。25%増収の要因は、会員増の影響。一方、利益面での伸び率が売上高の伸び率を下回ったのは、主に新規事業(LTE領域のSIM関連サービス)の開始準備に伴う費用等を計上したためと説明している。
同社は、2014年1月に「Wi-Fi環境イネーブラー事業の開始」、同5月に「LTE領域のSIM関連サービスおよびソリューションの拡充開始」、6月に「レンタルFi-Fiと人の流れ解析サービス開始」、7月に「LTE通信対応のSIMカードの予約販売を開始」、8月に「クラウド型みまもりサービス(M2M/IoT分野)」を発表するなど、今年度になってから次々と新規事業を発表してきた。
同社代表取締役CEOの松本洋一氏は、「1月にイネーブラー事業を発表して以来、さまざまな方面から問い合わせをいただいている。電源さえあれば、その周囲をWi-Fi環境にできるというサービスなので、たとえば自動販売機が基地局になることもできるのです。イネーブラー事業は、契約1万件が通過点と思えるほど、想定していた以上の大きな広がりが期待できる」と語っている。
また、「クラウド型みまもりサービスは、個人宅にセンサーマットを置かせていただいて、そのマットの反応をクラウドで受けることによって見守りを実現するものですが、国の方針が在宅での医療・介護へと大きくかじ取りをされたことを受けて、今年6月以降に全国の医療・介護事業者からの問い合わせが活発になっています」という。
同社では、8月5日に公表した決算説明会資料によって、2016年度の売上規模のイメージを、2014年度比3倍程度になるという予想を発表。新規事業の営業利益率について「Wi-Fiイネーブラー」は50-70%、「M2M」は30-50%、「Wi-Fi+LTE」は20-40%という数値を示している。この見通しについて、「現在、新規事業が来期以降にどのように展開していくのかについて、計画を詰めている最中。方向性が固まった場合、その内容を早急に公表するようにしたい」(松本氏)としている。(取材・編集担当:徳永浩)
ワイヤレスゲートは2014年12月期第2四半期決算について、アナリスト向けの説明会を2014年8月6日に開催した。
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2014-08-07 17:00