メディアスHDは高値圏で堅調推移、好業績を評価して13年4月高値目指す
医療機器販売のメディアスホールディングス <3154> (JQS)の株価は、6月24日に3090円まで上伸して1月の3010円を突破した。6月期末の配当権利落ちで調整する場面があったが、その後は切り返しの動きを強め、7月11日と14日には3000円台を回復する場面があった。足元も概ね2900円近辺で堅調に推移している。きっかけ次第で動意づく可能性もあり、好業績を評価して13年4月の3915円を目指す展開だろう。
医療機器・医療材料の販売・メンテナンス事業を主力として、介護・福祉機器の販売・レンタル事業も展開している。医療機関への医療機器・医療材料販売に加えて、手術室運営支援ソフトウェアや医療材料データベース提供など複合的サービスを強化している。
手術室業務支援ソフトウェア「サージレーン」は、効率の良い病院手術室運営を提案して機器・備品売上の拡大に繋げるもので、導入施設数は大病院を中心に8施設となっている。医療材料データベース・医療材料分析サービス「メッカル」は、医療材料価格の最適化を支援するツールで78施設に導入している。
地盤の静岡県、および首都圏と愛知県エリアでの営業強化に加えて、M&Aを積極活用して営業エリアを拡大している。13年7月に秋田県秋田市の秋田医科器械店を完全子会社化し、13年11月には福島県郡山市のジオットを完全子会社化することで合意(株式譲渡は14年7月)した。また海外では13年11月に、インドにおける鴻池運輸<9025>との医療データベース合弁会社が現地関連当局から設立認可を受けた。インドで医療物流プラットフォームを構築する戦略だ。
前期(14年6月期)の連結業績見通しについては、前回予想(13年8月14日公表)を据え置いて、売上高が前々期比6.3%増の1425億円、営業利益が同3.8%増の14億10百万円、経常利益が同1.8%増の17億50百万円、純利益が同6.0%増の9億50百万円で、配当予想は同5円増配の年間80円(期末一括)としている。
病院設備更新に伴って放射線機器、内視鏡、画像診断装置などの備品、および消耗品の販売が好調に推移している。首都圏および愛知県エリアでの営業強化、秋田医科器械店の新規連結、SPD(病院医療材料管理業務)やサージレーン事業の推進、大量購買による仕入価格削減、業務効率改善なども寄与して増収増益見込みだ。なお5月9日に関係会社株式評価損1億67百万円の計上を発表したが、業績見通しに変更はないとしている。
第3四半期累計(7月~3月)は前年同期比12.0%増収、26.3%営業増益、26.3%経常増益、15.3%最終増益と好調だった。さらに通期見通しに対する進捗率は売上高が80.8%、営業利益が124.1%、経常利益が117.4%、純利益が106.7%と高水準だった。
顧客側の大型案件に係る予算執行などで第3四半期(1月~3月)の売上・利益構成比が高くなる収益構造に加えて、前期は備品・消耗品で消費増税前の駆け込み需要が発生したことも収益押し上げ要因だった。このため第4四半期(4月~6月)の消費増税後の反動減や、診療報酬・医療材料償還価格改定の影響などを考慮して、通期見通しを据え置いている。ただし上振れの可能性があるだろう。
今期(15年6月期)は首都圏での営業強化策に加えて、ジオット(13年11月1日付でジオットの100%子会社である福島トスメックと合併、両社の13年7月期単純合算売上高は28億40百万円)の新規連結も寄与する。収益拡大基調だろう。
株価の動きを見ると、6月24日に3090円まで上伸して1月の3010円を突破した。6月期末の配当権利落ちも影響して6月26日に2780円まで調整する場面があったが、その後は切り返しの動きを強め、7月11日と7月14日には3000円台を回復する場面があった。足元も概ね2900円近辺で堅調に推移している。
8月7日の終値2894円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS327円15銭で算出)は8~9倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間80円で算出)は2.8%近辺、実績PBR(前々期実績の連結BPS2269円97銭で算出)は1.3倍近辺である。週足チャートで見ると、13週移動平均線がサポートラインとなって徐々に水準を切り上げている。きっかけ次第で動意づく可能性もあり、13年4月の3915円を目指す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
医療機器販売のメディアスホールディングス<3154>(JQS)の株価は、6月24日に3090円まで上伸して1月の3010円を突破した。
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2014-08-08 09:00