【為替本日の注目点】投資家心理の悪化でリスク回避の円買い、NY株安日経も軟調
NY市場
ドル円は引き続きウクライナ情勢に左右される展開。NATOの事務総長がロシアへの国際協力を全て中止することを決めたことで懸念がさらに拡大。米長期金利の低下もありドル円は102円まで売られる。
ECB理事会では特に政策発表はなかったものの、ドラギ総裁がウクライナ情勢が大きなリスクであるとの認識を示したことでユーロは下落。1.3337まで売られた後やや値を戻し、1.3365近辺で引ける。
株式市場は反落。ウクライナ情勢への懸念が好調な経済指標に勝った格好となり、ダウは75ドル下落し4月以来の安値を記録。
債券市場は続伸し、長期金利は年初来の最低水準に近づく。投資家がリスク回避の姿勢を強め、株式から債券にシフトしているといった声も聞かれた。
金は続伸し、原油価格も反発。
新規失業保険申請件数 → 28.9万件
6月消費者信用残高 → 170.3億ドル
ドル/円 102.00~ 102.38
ユーロ/ドル 1.3337 ~ 1.3394
ユーロ/円 136.26 ~ 136.94
NYダウ -75.07 → 16,368.27ドル
GOLD +4.30 → 1,312.50ドル
WTI +0.42 → 97.34ドル
米10年国債 -0.06 → 2.409%
本日の注目イベント
日 6月国際収支
日 7月景気ウォッチャー調査
日 日銀金融政策決定会合
日 黒田・日銀総裁記者会見
中 中国 7月貿易収支
独 独6月貿易収支
加 カナダ7月失業率
引き続きウクライナを巡る緊張が続き、投資家心理の悪化が株価を押し下げ、ドル円が下値を試す展開が続いています。昨日は日経平均株価が6日振りにプラスで引け、ドル円も102円割れを回避し、一時102円45銭まで反発しましたが、海外市場で再び102円まで売られる展開でした。相場の主要な方向性が海外市場で決定される流れが続いていることから、東京時間の動きに惑わされないよう注意も必要です。
ECB理事会では特に政策変更はありませんでしたが、市場は記者会見でのドラギ総裁の発言に反応しました。総裁は「地政学的リスクの高まりと新興市場・地域および国際金融市場の動向が、経済環境に悪影響を与える可能性がある」と発言し、ウクライナなどでの紛争がユーロ圏の景気回復を損ねるリスクは増しているとの認識を示しました。この発言で、ユーロドルは1.3337まで売られ、欧米の株式市場でも株価の下落につながっています。
また、NATO(北大西洋条約機構)のラスムセン事務総長は、ロシアに対する国際協力を全て中止することをウクライナ大統領との会談で明らかにしました。一方でロシアも制裁措置に対する報復として、シベリア上空の飛行を制限する方向のようです。ブルームバーグが航空機の追跡サービスを手がける「フライトレーダー24」から入手したデータによると、最も影響を受ける航空会社はエールフランスとKLMオランダ航空で、ルフトハンザ航空がそれに続くそうです。
NYダウは既に最高値から800ドル近く下落しています。今後さらに下落して1万6000ドルを割り込むような事態になると、ヘッジファンドなどの運用成績にも大きな影響がでそうです。先月この欄で、もし円高に振れるとすれば、NY株式市場が何らかの影響で大幅な下落を見せ、リスク回避の動きから円が買われるケースを想定しましたが、どうやら現実的になって来たようです。7月は比較的好調だった日本の株式も、さすがにNY株式市場の影響を受け連日軟調な展開を見せています。
引き続きウクライナ情勢と株式市場の動きがポイントになりますが、昨日反発した日経平均株価が大台の1万5000円を維持できるかどうかが、今日のアジア時間の最大の焦点と思います。101円台に入った場合にどの程度ドル買いがでてくるかもポイントです。また、午後3時半からの黒田総裁の記者会見も、第2四半期GDPが下振れするとの見方が高まるなか、これまでより「タカ派的」な発言があるかどうかに注目が集まります。レンジは101円50銭~102円50銭程度と予想します。
1億4000万円。振り込め詐欺で毎日被害にあう金額だそうです。警察も対策を講じていますが、詐欺集団は次々に新手をあみだしてくるようです。この金額を見て、改めて被害額の大きさに驚きました。かかってきた電話は一旦切り、折り返すなどの工夫も必要です。今日は金曜日ですが、因みに金曜日は被害が少ないというデータもあります。週末には銀行からお金を下ろしにくいということと、土日を挟むと冷静になられてしまうということなのでしょう。良い週末を・・・・・。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は引き続きウクライナ情勢に左右される展開。NATOの事務総長がロシアへの国際協力を全て中止することを決めたことで懸念がさらに拡大。米長期金利の低下もありドル円は102円まで売られる。
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2014-08-08 09:30