レアアース中国敗訴、「巨大な闇取引市場」が改革の課題=中国メディア

 世界貿易機関(WTO)の紛争処理上級委員会は7日、中国によるレアアース(希土類)輸出規制は不当であると発表し、中国の敗訴が確定した。中国メディアの21世紀網は9日、敗訴確定によって中国はレアアース市場の改革を迫られるとする一方、大きな課題の1つに「レアアースの闇取引」もあることを指摘した。  記事は8日に内モンゴル自治区包頭市で行われたフォーラムで、中国対外経済貿易大学法学院の陳衛東教授が「敗訴を受け、中国が取れる選択肢は3つある」と語ったことを紹介。さらに、1つ目の選択肢が「輸出規制の撤廃」、2つ目が「規制を維持しつつ、日米欧に対する補償と市場の開放を行うこと」、3つ目が「報復関税の導入」であるとし、「いずれの選択肢においても、中国はそれなりの代価を払うことになる」と論じた。  さらに、中国国家工信部の関係者が同フォーラムで、「今年はレアアース市場の統制を行い、闇取引に対する取り締まりを行う」と語ったことを紹介、「中国のレアアース取引量のうち、約半分にあたる量が闇取引によるもの」と伝えた。  記事は「中国国内ではレアアースの闇取引が普遍的に行われている」とし、レアアース業界の関係者の発言として「巨大な闇取引市場ではそもそも法律や規制が適用されていないため、WTOの裁定は中国レアアース業界にさほど大きな影響をもたらさないとの意見もある」と伝えた。  中国稀土行業協会の干勇会長によれば、中国のレアアース価格は2013年下半期から下落を続けており、市場では過剰供給の状況にある。中国国外でのレアアース採掘量が増えたことがその一因として考えられ、中国のレアアース輸出量は14年上半期に前年同期比38.3%増となったが、輸出額は12年に比べて36.7%も減少している。(編集担当:村山健二)
世界貿易機関(WTO)の紛争処理上級委員会は7日、中国によるレアアース(希土類)輸出規制は不当であると発表し、中国の敗訴が確定した。中国メディアの21世紀網は9日、敗訴確定によって中国はレアアース市場の改革を迫られるとする一方、大きな課題の1つは「レアアースの闇取引だ」と指摘した。
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2014-08-10 15:45