【為替本日の注目点】株高で円売り強まり日本株に注目、地政学リスクが相場の中心に

 NY市場  先週金曜日の午前中に、オバマ大統領がイラクのイスラム過激派に対する空爆を承認したことを受け、ドル円は急落。午後には101円51銭まで円高が進んだ。NYではロシアがウクライナ国境付近での軍事演習を終了したとの報道から、株の上昇などとともに、円売りが強まり102円台に乗せて取引を終える。  ユーロドルは1.33台半ばから1.34台前半まで反発。ユーロ円が大きく買い戻された影響が強い。  株価は急反発。ウクライナでの緊張が和らぐとの兆候が材料視され、ダウは185ドル高で1万6500ドル台を回復。  債券相場は小幅に下落したものの、週間では1ヶ月振りの大幅高となる。  金は反落し、原油は続伸。  ドル/円 101.73~ 102.08  ユーロ/ドル 1.3383 ~ 1.3433  ユーロ/円 136.36 ~ 136.93  NYダウ +185.66  → 16,553.93ドル  GOLD -1.50 → 1,311.00ドル  WTI +0.31     → 97.65ドル  米10年国債 +0.011  → 2.420%  本日の注目イベント  加   カナダ7月住宅着工件数     先週末のドル円は「地政学的リスク」に翻弄させられた1日でした。ドル円は久しぶりに活発な値動きを見せ、改めて下落時のスピードの速さに驚かされた方も多かったのではないかと思います。低ボラティリティーに慣らされていただけに、余計そのように感じました。  オバマ大統領がイラクのイスラム過激派に対する空爆を承認し、米軍は9日には過激派武装組織「イスラム国」に対する空爆を行いました。米軍が空爆を開始したことで、中東の緊張が一気に高まり円が主要通貨に対して全面高の展開になりましたが、NY市場では一転して「リスクオン」が進み、円が売られる流れになっています。  もう一方の「地政学的リスク」であるウクライナ情勢がやや緊張の度合いを緩めたことが背景でした。ロシア通信は先週末、ロシアがウクライナでの衝突鎮静への努力を行っていると報じ、インタファクスもウクライナ国境付近で行われていた軍事演習が終了し、部隊がそれぞれ所属する基地に帰投すると報じました。  これで下落基調を強めていたNY株式市場が大幅に反発し、「リスクオン」から、ドル円でも円売りが強まりこの日の高値である102円10銭前後で取引を終えています。「地政学的リスク」に反応した1日でしたが、ウクライナ情勢にしろ、イラク問題にしろ、このまま終わることは考えられず、今後もまだ「地政学的リスク」が「相場の中心」になることは十分予想されます。  目が離せないのは、やはり株式市場です。先週末も、日経平均株価が一時480円ほど下落し、ドル円の下落を誘引した面もありました。平均株価は1万4778円まで売られ、再び円相場も株安に反応しやすくなっています。ドル円は依然として明確な方向感に乏しく、ポジションも一方方向に傾けにくい状況が続いています。結局101円~103円のレンジが抜け切れないのではないかとの予想が強まってきたと思えます。  本日も株価の動きが重要になっていますが、先週末のシカゴ先物市場では日経先物が1万5000円台を回復していたことから、今朝は株高で始まりそうです。今日の取引で1万5000円台を維持して取引を終えれば、先行きにもやや安心感がでてきそうです。予想レンジは101円70銭~102円40銭程度と見ています。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
先週金曜日の午前中に、オバマ大統領がイラクのイスラム過激派に対する空爆を承認したことを受け、ドル円は急落。午後には101円51銭まで円高が進んだ。NYではロシアがウクライナ国境付近での軍事演習を終了したとの報道から、株の上昇などとともに、円売りが強まり102円台に乗せて取引を終える。
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2014-08-11 09:30