今週の為替相場見通し(2014年8月11日-)=為替王

 米ドル円は先週、101円台まで円高が進行する場面がありました。今年の米ドル円は(一時的に100円台を記録したことはありましたが)、ほぼ101円あたりを底値としたレンジ相場が続いています。今週以降も、今年のレンジの下限である101円をキープできるのかどうかが非常に注目されます。先週のような急落が起きたとしても、101円より上の範囲ならば状況は何も変わらず、これまでレンジ相場が続くとの見方になりますが、もしも101円を割り込む展開になりますと、比較的大きめの調整(円高)につながる可能性が高まります。  経済ファンダメンタルズ分析の観点で、為替レートの変動要因はいろいろある中で、私が注目しているひとつが日米の金利。今年始めは日米長期金利差は2%を余裕で超えていました。日本の金利も下がっていますが、米国の金利がそれ以上に下がっているため、現状、2%を下回ってきました。最近の日米金利差縮小が一時的ならさほど影響ないかもしれませんが、縮小状態が長引き恒常的になりますと、やはり為替レートに対してもドル安・円高圧力がかかりやすくなると考えます。  今月、下落の動きが目立っているのがポンド。背景はポンド米ドルが今年6月~7月にかけてリーマンショック以降の高値を更新するほど上昇していたのですが、7月の高値1.71台で完全にピークを打って、このところ下落の流れが加速しています。高値からの下落幅はこの1カ月以内に400pipsに達しますが、これで下げ止まりということではなく、最悪の場合、1.65台へと下落が拡大する可能性もあると考えます。その場合、米ドル円の水準が一定とすれば、ポンド円は170円を割り込むことになります。  豪ドルは先週金曜日、急落した後にしっかり反発しましたが、まだ油断できません。豪ドル米ドルの下落ターゲットは引き続き0.91台~0.90台あたりと考えます。ユーロも先週金曜日の夜間にある程度反発しましたが、これもまだ下方のリスクを抱えた状態と判断します。ユーロ米ドルは引き続き1.32~1.31台を目指し、ユーロ円は135~134円台あたりへ下落が拡大する余地が残されていると考えます。(執筆者:為替王)
米ドル円は先週、101円台まで円高が進行する場面がありました。今年の米ドル円は(一時的に100円台を記録したことはありましたが)、ほぼ101円あたりを底値としたレンジ相場が続いています。
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2014-08-11 10:00