新和内航海運は第1四半期の大幅減益に対するネガティブ反応は限定的
新和内航海運 <9180> (JQS)(14年10月1日付でNSユナイテッド内航海運に商号変更予定)の株価は、5月年初来安値380円から7月戻り高値490円まで切り返し、その後は概ね470円~480円近辺で推移している。第1四半期(4月~6月)の大幅減益に対するネガティブ反応は限定的であり、今期(15年3月期)減益見通しを嫌気した売りは一巡しているようだ。指標面の割安感を支援材料に出直り展開だろう。
NSユナイテッド海運 <9110> の子会社である。鉄鋼向けの原料炭・石灰石・鋼材、電力向けの石炭、建設向けのセメントなどを輸送する内航海運事業を主力として、港湾運送事業やLPGタンクローリー等輸送事業なども展開している。NSユナイテッド海運グループの一員として一体感を醸成し、営業力の一層の強化を図るため、14年10月1日付(予定)で商号をNSユナイテッド内航海運に変更する。
7月31日に発表した今期(15年3月期)第1四半期(4月~6月)の連結業績は、売上高が前年同期比11.5%増の54億93百万円、営業利益が同69.0%減の1億09百万円、経常利益が同71.1%減の98百万円、純利益が同83.2%減の34百万円だった。
売上面では鉄鋼関連の輸送量が若干減少したが、電力関連やセメント関連の輸送量が好調に推移した。港湾運送事業も順調だった。利益面では船舶のドック入りが第1四半期に集中し、修繕費が増加したため大幅減益だった。
通期の連結業績見通しについては前回予想(4月30日公表)を据え置いて売上高が前期比3.6%増の217億92百万円、営業利益が同25.9%減の13億86百万円、経常利益が同26.3%減の13億30百万円、純利益が同30.8%減の8億02百万円、配当予想は年間10円(期末一括)としている。
震災復興関連のセメント専用船、石炭火力発電向け石炭灰運搬船の稼働が高水準であり、石灰石専用船や鋼材・鉄鋼原料などの輸送も堅調に推移する。利益面では燃料価格の上昇や修繕費の増加などで減益見通しとしている。ただし会社見通しには保守的な印象が強い。第1四半期は大幅減益だったが、売上高の通期見通しに対する進捗率は25.2%と順調な水準である。鉄鋼関連、セメント関連、石炭火力発電関連の輸送量は引き続き高水準に推移することが予想され、増収効果、運航効率向上効果、諸経費圧縮効果などでコストアップ要因吸収も可能だろう。
株価の動きを見ると、5月19日の年初来安値380円から7月1日の戻り高値490円まで切り返した。その後は概ね470円~480円近辺で推移している。第1四半期の大幅減益に対するネガティブ反応は限定的であり、今期減益見通しを嫌気した売りは一巡しているようだ。
8月11日の終値470円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS74円44銭で算出)は6~7倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は2.1%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS663円52銭で算出)は0.7倍近辺である。週足チャートで見ると5月安値圏からのV字型反発で底打ちを確認した形であり、13週移動平均線も上向きに転じてきた。指標面の割安感も支援材料に出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
新和内航海運<9180>(JQS)(14年10月1日付でNSユナイテッド内航海運に商号変更予定)の株価は、5月年初来安値380円から7月戻り高値490円まで切り返し・・・。
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2014-08-12 09:00