キムラユニティーは第1四半期大幅減益で反落、売り一巡して反発のタイミング
総合物流サービスのキムラユニティー <9368> の株価は、5月安値901円から7月8日の968円まで切り返したが、第1四半期(4月~6月)の大幅減益で反落し、8月8日と11日の938円まで調整した。ただし8月11日は終値で949円まで戻している。売りが一巡して反発のタイミングだろう。低PERや低PBRも支援材料だ。
トヨタ自動車 <7203> の補給部品・KD包装、および物流請負を主力とする総合物流サービス企業である。自動車販売・リース・整備などの自動車サービス事業、物流分野を中心としたシステム開発などの情報サービス事業、派遣・アウトソーシングなどの人材サービス事業、太陽光発電による売電事業なども展開している。13年12月には日本最大級の軽自動車販売専門店を運営するスーパージャンボを子会社化した。
物流サービス事業ではネット通販市場の拡大も追い風として、物流請負のNLS(ニュー・ロジスティクス・サービス)事業の新規顧客開拓や生産性改善を推進している。14年4月にはスズケン <9987> の物流センター業務のうち庫内物流業務を請け負うため千葉県印西市に印西事業所、14年5月には東芝ロジスティクスの物流業務を請け負うため神奈川県川崎市に川崎事業所を開設した。NLS事業は新規顧客開拓が順調に進展し、今期(15年3月期)売上高見通しが80億円強となり、中期的な目標としていた売上高100億円の達成が視野に入ったため、新中期経営計画で目標値を再設定するようだ。
海外はトヨタ自動車の海外生産拡大に合わせて米国、メキシコ、ブラジル、中国、タイに拠点展開している。米国子会社は13年7月、カナダの大手自動車部品メーカーMAGNAグループのDRIVE社から、倉庫内物流請負を新規受注した。さらなる受注拡大に向けて14年7月に新倉庫「グリーンヒル倉庫」が竣工・稼働した。また中国では自動車保有台数の増加に伴って、中期的に補修部品の需要が拡大基調である。
7月25日に発表した今期(15年3月期)第1四半期(4月~6月)の連結業績は、売上高が前年同期比12.7%増の107億47百万円、営業利益が同47.0%減の1億88百万円、経常利益が同55.3%減の2億23百万円、純利益が同96.3%減の11百万円だった。
売上面では自動車販売のスーパージャンボの連結効果、中国子会社における物量の増加、北米子会社における物流業務の本格稼働も寄与して2ケタ増収だったが、利益面では人手不足による人件費の上昇、新規事業所での生産準備費用の想定以上の増加、営業外費用での為替差損の計上などが影響して各利益とも大幅減益だった。
セグメント別売上高(内部取引等消去前)は物流サービス事業が同3.2%増の67億55百万円、自動車サービス事業が同38.0%増の37億84百万円、情報サービス事業が同7.5%減の1億76百万円、人材サービス事業が同36.5%減の1億22百万円、その他サービス事業が同38.6%増の16百万円だった。
通期の連結業績見通しは前回予想(4月25日公表)を据え置いて売上高が前期比10.2%増の450億円、営業利益が同3.6%増の17億50百万円、経常利益が同6.2%減の20億円、純利益が同6.2%減の11億50百万円、配当予想が前期と同額の年間25円(第2四半期末12円、期末13円)としている。
営業外収益での為替差益を見込んでいないため経常利益と純利益は減益見通しだが、物流サービス事業と自動車サービス事業が牽引し、国内の単価改正や人件費増加を増収効果や原価改善効果などで吸収して営業増益見通しだ。北米子会社の新倉庫は14年7月稼働のため今期は半期分の寄与となる。想定為替レートは1米ドル=101円としている。
セグメント別売上高(内部取引等消去前)の計画を見ると、物流サービス事業はトヨタ自動車関連が堅調に推移し、NLS事業での新規顧客獲得効果、中国子会社の物量増加、米国子会社の物流業務本格稼働も寄与して同2.9%増の288億60百万円、自動車サービス事業は自動車販売のスーパージャンボの連結も寄与して同28.1%増の147億85百万円、情報サービス事業は同12.1%増の12億円、人材サービス事業は同6.3%減の6億30百万円、その他事業は同1.2%減の45百万円としている。
なお株主優待については、毎年3月31日現在および9月30日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して、保有株数に応じて「お米券」を贈呈している。さらに500株以上を継続2年以上保有する株主に対しては、長期優待が上乗せされる。
株価の動きを見ると、5月安値901円から7月8日の968円まで切り返し、1月の年初来高値1002円に接近した。その後は960円近辺での短期モミ合いを経て、第1四半期の大幅減益を嫌気する形で反落し、全般地合い悪化も影響して8月8日と8月11日の938円まで調整した。ただし8月11日は終値で949円まで戻している。第1四半期業績を嫌気した売りが一巡したようだ。
8月11日の終値949円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS95円29銭で算出)は10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間25円で算出)は2.6%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1910円73銭で算出)は0.5倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線を割り込んで短期調整局面だが、週足チャートで見ると13週移動平均線と26週移動平均線近辺で下げ渋る動きだ。サポートラインを確認した形であり、反発のタイミングだろう。低PER、低PBRも支援材料だ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
総合物流サービスのキムラユニティー<9368>(東1)の株価は、5月安値901円から7月8日の968円まで切り返したが・・・。
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2014-08-12 09:00