【為替本日の注目点】円続伸ドル円104円台前半、米株安で利食い先行が円高株安を拡大
NY市場
年明けの日経平均株価が大幅に下落したことで、上値が徐々に重くなりつつあるドル円は、ISM非製造業景況指数が市場予想を下回ったことを受け下落。一時は104円台を割り込み、103円91銭まで円が買い戻され、104円台前半に乗せて引ける。
株価の下落や長期金利の低下からドルが売られ、ユーロドルも上昇。ユーロドルは1.36台半ばまでユーロ高が進む。
株価は下落。非製造業の拡大ペースが市場予想を下回ったことが嫌気され、ダウは44ドル安。S&P500は年初から3日続落。
債券相場は非製造業指数を受け上昇。10年債利回りは小幅に低下し、2.96%台で取引を終える。
金は小幅に反落。原油価格は需給予想を受け5日続落し93ドル台に。
12月ISM非製造業景況指数 → 53.0
ドル/円 103.91 ~104.84
ユーロ/ドル 1.3593 ~ 1.3653
ユーロ/円 141.73 ~ 142.76
NYダウ -44.89 → 16,425.10ドル
GOLD -0.60 → 1,238.00ドル
WTI -0.53 → 93.43ドル
米10年国債 -0.029 → 2.961%
本日の注目イベント
日 12月マネタリーベース
豪 豪11月貿易収支
独 独12月雇用統計
欧 ユーロ圏12月消費者物価指数(速報値)
欧 ユーロ圏11月生産者物価指数
米 11月貿易収支
今年最初の取引日となった昨日の東京株式市場では、日経平均株価が一時400円を超える大幅な下落を見せ、歩調を合わせるようにドル円は104円台前半まで下落しました。昨年12月にはほぼ一本調子で「円安、株高」が続いてきたことで、利食い先行の動きが「円高株安」を拡大したものと思われます。結局日経平均株価は382円安と、下げ幅を縮小したものの「大発会」としては異例な下げ幅となりました。それでも株式関係者の声は「NISA」を後ろ盾に、「個人投資家が株価を支える」という見方が強いことにやや不安を感じます。
東京市場が引けた後の欧州市場では、それでもドル円は底固い動きを見せ、NYオープン前には104円80銭を越える水準まで反発しましたが、ISM非製造業景況指数が予想を下回ったことに反応し、株価が下落し、債券が買われたことで長期金利が低下し、ドル安円高への流れが加速しました。ドル円は一時104円を割り込み、103円91銭まで下落し、1月2日にNY市場で記録した104円07銭を下回る場面が示現しました。
この日発表された非製造業景況指数は前月の53.9から53.0に低下しましたが、市場が注目したのは、項目別の新規受注でした。これが49.4と、2009年5月以来の低水準だったことから、株価が下落し、安全資産の債券が買われ、ドル安円高につながったようです。この指数は「50」が好不況の分かれ目で、4年半ぶりに「50」を割り込んだことになります。
2014年に入って、昨年までの雰囲気がやや変化の兆しを見せ、「円高、株安」の様相に変わってきましたが、現時点では、これはあくまでも「調整の範囲」と認識しています。昨年までの「円安、株高」のスピードが早すぎたことで、先ず為替がテクニカル上でも重要な水準で折り返し、円安が修正されたことで、株価の調整につながったと受け止めています。
短期的に見ると、「4時間足」の120日線が位置する、103円98銭辺りが目先の重要なサポートであると思います。この水準は昨日のNY市場では一時下回る場面はありましたが、引け値では割り込んでいません。またもう少し長い目で見ると、103円50銭前後と、103円20銭前後がメドになりそうです。
余り楽観的な見通しは禁物ですが、日米金融政策の違いを基本としたらドルの下落は限定的と予想しています。ただそれでもこのまま105円に戻らず、上値の重い展開が続くと、市場関係者の相場観も徐々に修正されて来ることも考えられます。その結果、早めの予約などが持ち込まれ、さらにドル円の上値が重くなる展開も予想できなくはありませんが、その可能性は低いと言えましょう。
本日もNYの株安を受け、日経平均株価がどこまで下落するかに注目です。昨日の様にズルズルと下げ幅を拡大するのか、あるいは下げ渋るのかで、上記サポート水準をテストする場面があるかもしれません。明日は、先月の「緩和縮小」を決めた舞台である12月のFOMC議事録が公開されます。また、週末には12月の雇用統計の発表です。現在のセンチメントが一変する可能性もあります。予想レンジは103円70銭~104円80銭程度にセットしたいと思います。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
年明けの日経平均株価が大幅に下落したことで、上値が徐々に重くなりつつあるドル円は、ISM非製造業景況指数が市場予想を下回ったことを受け下落。一時は104円台を割り込み、103円91銭まで円が買い戻され、104円台前半に乗せて引ける。
gaitameonline,gaitamedotinterview
2014-01-07 09:45