ジェイテックは売りが一巡、下値支持線に接近して反発のタイミング
技術職知財リース事業のジェイテック <2479> (JQS)の株価は、概ね210円~230円近辺でモミ合う展開だったが、8月1日発表の第1四半期(4月~6月)営業赤字を嫌気する形で8月8日と11日に194円まで調整した。ただし8月12日には201円まで反発している。売りが一巡し、190円~200円近辺の下値支持線に接近して反発のタイミングだろう。
製造業の開発・設計部門向けに技術者を派遣する技術職知財リース事業(特定派遣事業および請負事業)を主力として、子会社ジオトレーディングは製造業向けの一般派遣・請負事業を展開している。12年10月にエル・ジェイ・エンジニアリング(旧トステム・エンジニアリング・オフィス)を子会社化して建築設計分野にも事業領域を広げた。
専門教育による知識を基盤として新たな付加価値を顧客に提供する社員を「テクノロジスト」と呼称し、一般的な「エンジニア」と区別していることが特徴だ。そして「技術商社」を標榜し、当社のテクノロジストが保有する知恵を提供(リース)することで、顧客とともに新たな価値を創造する「技術職知財リース事業」としている。
技術職知財リース事業では、機械設計開発、電気・電子設計開発、ソフトウェア開発の3分野に加えて、建築設計分野を第4の柱として育成している。顧客は自動車関連、産業用機器関連、電子・電気機器関連、精密機器関連、情報通信機器関連、情報処理関連、建築関連など多岐にわたり、特定の業界・企業への依存度を低くして業種別・顧客別売上構成比のバランスを維持していることも特徴だ。
8月1日に発表した今期(15年3月期)第1四半期(4月~6月)の連結業績は、売上高が前年同期比0.6%増の8億27百万円、営業利益が45百万円の赤字(前年同期は1百万円の黒字)、経常利益が45百万円の赤字(同2百万円の黒字)、純利益が60百万円の赤字(同14百万円の赤字)だった。
主要取引先である大手製造業への派遣需要は引き続き高水準だったが、新卒テクノロジストの研修期間中の人件費や教育・研修費用が膨らみ営業赤字だった。セグメント別売上高は技術職知財リース事業が同0.3%減の7億96百万円、一般派遣およびエンジニア派遣事業が同29.5%増の31百万円だった。
通期の連結業績見通しは前回予想(5月7日公表)を据え置いて売上高が前期比7.8%増の36億70百万円、営業利益が同15.2%増の1億10百万円、経常利益が同15.9%増の1億10百万円、純利益が同22.9%増の80百万円、配当予想は前期と同額の年間1円(期末一括)としている。
主要取引先の大手製造業では新製品開発など高水準の研究開発投資を継続している。このため技術開発や製品設計に対応可能なスキルを持つ技術者に対して需要が一段と高まっている。前期の新規受注件数は前々期比16.5%増加した。今期も自動車関連業界向けを中心として、技術職知財リース事業でテクノロジストの稼働率が高水準に推移する。派遣・請負単価が上昇傾向を強めていることも寄与して増収増益見込みだ。
中期経営計画では、今後数年間を人材採用・教育など基盤強化の期間と位置付けるとともに、経営目標値として17年3月期の売上高41億23百万円、営業利益1億76百万円、経常利益1億76百万円、純利益1億20百万円を掲げている。製造業における技術者不足を背景として中期的に収益拡大基調だろう。
株価の動きを見ると、6月以降は概ね210円~230円近辺でモミ合う展開だったが、8月1日発表の第1四半期営業赤字を嫌気する形で水準を切り下げた。全般地合い悪化も影響して8月8日と8月11日には194円まで調整する場面があった。ただし8月12日には201円まで反発している。第1四半期営業赤字を嫌気した売りが一巡したようだ。
8月12日の終値200円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS9円58銭で算出)は20~21倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間1円で算出)は0.5%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS62円93銭で算出)は3.2倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線を割り込み、週足チャートで見ると26週移動平均線が戻りを押さえる形だが、190円~200円近辺の下値支持線に接近して反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
技術職知財リース事業のジェイテック<2479>(JQS)の株価は、概ね210円~230円近辺でモミ合う展開だったが、8月1日発表の第1四半期(4月~6月)営業赤字を嫌気する形で8月8日と11日に194円まで調整した。
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2014-08-13 09:30