JSPは第1四半期営業減益を嫌気した売りが一巡、反発のタイミング

  発泡プラスチック製品のJSP <7942> の株価は、1月の高値1669円、13年5月の高値1706円を一気に突破し、6月20日の高値1920円まで上値を伸ばした。その後は7月30日発表の第1四半期(4月~6月)営業減益を嫌気する形で8月7日の1698円まで調整した。しかし1700円近辺では下げ渋り感を強めている。売りが一巡して反発のタイミングだろう。   押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。自動車部品用発泡ポリプロピレン「ピーブロック」や、住宅用高性能断熱材「ミラフォーム」など高機能・高付加価値製品の拡販を強化するとともに、さらなる高機能新製品の開発を強化している。   14年4月には、発泡ポリプロピレンビーズ(成型品「ピーブロック」用ビーズ)の新工場として北九州工場が生産を開始し、国内では栃木県鹿沼市、三重県四日市市との3拠点体制を確立した。また14年10月には中国で重慶工場の稼働を予定している。   7月30日に発表した今期(15年3月期)第1四半期(4月~6月)の連結業績は、売上高が前年同期比8.9%増の283億77百万円、営業利益が同12.1%減の9億25百万円、経常利益が同18.2%減の10億26百万円、純利益が同18.6%減の7億57百万円だった。   セグメント別動向を見ると、押出事業は売上高が同8.1%増の97億88百万円、営業利益(全社費用等調整前)が同50.7%減の2億12百万円だった。売上面では、消費増税の反動で産業用包材や建築・土木関連の「ミラフォーム」がやや低調だったが、食品容器関連の発泡ポリスチレンシートが好調だった。利益面では、原燃料価格や電力料金の上昇に対して、製品価格是正がやや遅れているようだ。   ビーズ事業は、売上高が同8.1%増の170億07百万円、営業利益が同12.0%増の8億65百万円だった。製品価格是正はやや遅れているようだが、自動車関連を中心に発泡ポリプロピレン「ピーブロック」の好調が牽引した。その他事業は、中国での液晶テレビ向け新規梱包材が寄与して売上高が同24.1%増の15億81百万円、営業利益が11百万円の赤字(前年同期は18百万円の赤字)だった。   通期の連結業績見通しは前回予想(4月30日公表)を据え置いて売上高が前期比4.3%増の1170億円、営業利益が同20.2%増の71億円、経常利益が同10.6%増の72億円、純利益が同11.3%増の49億円で、配当予想は前期と同額の年間30円(第2四半期末15円、期末15円)としている。   国内では衝撃緩衝材を中心とした自動車部品、タブレット型端末など多機能電子機器の包装材、高断熱材を中心に需要が好調に推移する。特に自動車関連の発泡ポリプロピレン「ピーブロック」や、住宅用断熱材「ミラフォーム」など高機能・高付加価値製品の好調が牽引し、一部製品の価格是正効果なども寄与する見込みだ。想定為替レートは1米ドル=100円、1ユーロ=130円としている。   主要セグメントの計画を見ると、押出事業は住宅用高性能断熱材「ミラフォーム」の需要拡大などで売上高が同1.7%増の402億95百万円、営業利益が同5.9%増の20億39百万円、ビーズ事業は自動車関連を中心とする発泡ポリプロピレン「ピーブロック」の好調、発泡ポリプロピレン「スチロダイア」の建築土木関連への拡販などで、売上高が同2.8%増の689億34百万円、営業利益が同26.0%増の57億28百万円としている。   株価の動きを見ると、6月に動意付いて1月高値1669円、13年5月高値1706円を一気に突破し、6月20日の高値1920円まで上値を伸ばした。その後は利益確定売りで反落し、7月30日発表の第1四半期営業減益も嫌気する形で8月7日の1698円まで調整した。しかし1700円近辺では下げ渋り感を強めている。第1四半期営業減益を嫌気した売りはほぼ一巡したようだ。   8月12日の終値1748円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS164円35銭で算出)は10~11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間30円で算出)は1.7%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1940円48銭で算出)は0.9倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線近辺で下げ渋る動きだ。従来の上値フシだった1700円近辺が下値支持線に転嫁した可能性があり、売り一巡して反発タイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
発泡プラスチック製品のJSP<7942>(東1)の株価は、1月の高値1669円、13年5月の高値1706円を一気に突破し、6月20日の高値1920円まで上値を伸ばした。
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2014-08-13 09:30