【為替本日の注目点】ドル円膠着もGDP見極め、独経済軟調でユーロは再び下落

 NY市場  ドル円は102円台前半で一進一退。NY株式市場がやや軟調だったことで下押しする場面があったものの、米長期金利の上昇に支えられ、昨日と同水準の102円25銭近辺で引ける。   ユーロは再び下落。ドイツの8月の景況感が悪化していたことでユーロ売りが加速し、1.3341までユーロ安が進行。   株式市場は4日振りに反落。ウクライナ情勢への懸念が再び強まったことでダウは9ドル安。S&P500なども揃って反落。   債券相場は小幅に反落。3年債入札では好調だったものの、10年債はやや売り物優勢となり、長期金利は2.44%台に上昇。   金はほぼ横ばい。原油は反落し97ドル台に。   7月財政収支 → -946億ドル    ドル/円 102.09~ 102.28  ユーロ/ドル 1.3341 ~ 1.3370  ユーロ/円 136.36 ~ 136.70  NYダウ -9.44  → 16,560.54ドル  GOLD +0.10 → 1,310.60ドル  WTI -0.71     → 97.37ドル  米10年国債 +0.020  → 2.449%  本日の注目イベント      日   4-6月GDP(速報値)   日   日銀金融政策決定会合議事要旨(7月14、15日分)   中   中国 7月小売売上高   中   中国 7月工業生産   独   独7月消費者物価指数(改定値)   欧   ユーロ圏6月鉱工業生産   英   BOE、四半期物価報告   英   英7月失業率    米   7月小売売上高   米   ダドリー・NY連銀総裁講演    米   グアテマラ・ボストン連銀総裁講演   ドル円は102円台前半で膠着感が強まってきましたが、ユーロはほぼ9ヶ月振りの安値を試しています。8月のZEW景況感指数が2012年以来の水準まで低下したことで、ユーロ圏を牽引しているドイツ景気の先行きにも不透明感が広がり、ユーロ圏の景気回復が遠のくとの見方からユーロが売られました。  ドイツ経済が軟調に推移するとなれば、ロシアへの制裁から影響を受けるユーロ圏の景気がさらに悪化するといった見方もでき、ユーロ圏経済はデフレスパイラルを免れないのではとの懸念も広がっています。ZEW景況感指数では、特に8月の期待指数が「8.6」と、前月の「27.1」から大幅に悪化しており、市場予想の「17.0」をも大幅に下回っています。ブルームバーグは「ECBにとっては裁量の幅が狭まってきており、既に通常手段は使い切ってしまった」という意見を紹介していました。  ユーロドルは1.334まで売られ、先週記録した1.3339に並んだ格好になっています。戻りも1.34台前半が一杯で、明日の欧州主要国のGDP次第では1.33割れがありうると予想されます。ユーロドルについてはショートポジションもかなり積みあがっているため、下がれば買戻しのオーダーも多いと思われますが、上値は相当重くなっている印象があります。  ドル円は今週に入って102円台前半での小動きが続いていますが、やや下げ渋ってきたのではないかと思われます。ロシアが人道支援という名目でウクライナ東部に向けて支援車両を送るなど、ウクライナ情勢が再び緊張の度合いを強めてきましたが、今のところドル円への影響はありません。株価もやや落ち着きを取り戻している状況のなか、102円台半ばを超えられるかが焦点になりそうです。  本日は注目の日本の4-6月期GDPが発表されます。既に多くの専門機関がマイナス幅が拡大すると予想しています。幅としては「-6%」から「-7.5%」程度と予想されており、発表された結果が前者に近ければ、ドル売り円買いに振れそうで、反対に後者に近い場合は円が売られると予想されます。  ただ、今回のGDPも重要ですが、第3四半期のそれはさらに重要度が増します。2015年10月からの「消費税10%」を決める重要な判断材料になるだけではなく、今回の予想に比べ専門機関の事前予想も大きく割れているからです。手元の資料にると、最も強気の数値は「7.4%」で、逆に弱気は「2.5%」と、大きく異なっています。安倍首相もこの数値を確認してから増税をするかどうかを判断するとしていますが、ここは本日発表される第2四半期のそれと併せて判断することが必要ではないかと思います。4月からの消費税増税は、それ程消費者行動に影響を与えていると考えます。本日のレンジは上記発表も考慮して、101円70銭~102円70銭と広めに予想します。  明日(14日)の「「アナリストレポート」は都合により休ませて頂きます。ご迷惑をおかけしますが、ご理解の程よろしくお願いいたします。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は102円台前半で一進一退。NY株式市場がやや軟調だったことで下押しする場面があったものの、米長期金利の上昇に支えられ、昨日と同水準の102円25銭近辺で引ける。 
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2014-08-13 09:45