ミロク情報サービスは7月高値から反落したが切り返し、自律調整一巡して上値追い
財務・会計ソフトのミロク情報サービス <9928> の株価は、4月~5月の400円近辺でのモミ合いから上放れ、13年9月高値469円を突破して7月29日の549円まで上伸した。その後は利益確定売りで一旦反落したが、480円近辺から切り返しの動きを強めている。好業績を評価する流れに変化はないようだ。指標面には依然として割安感があり自律調整が一巡して上値を追う展開だろう。
会計事務所(税理士・公認会計士事務所)と、その顧問先企業である中堅・中小企業向けに、業務用アプリケーションソフト開発・販売、汎用サーバ・パソコン・サプライ用品販売、運用支援・保守サービス、経営情報・コンサルティングサービスなどを展開している。システム導入契約売上とサービス収入が収益柱で、全国約8400の会計事務所ユーザーおよび約1万7000社の中堅・中小企業ユーザーを有し、サービス収入などのストック型収益構造を特徴としている。
会計事務所向けシステム「ACELINK NX-Pro」、中堅企業向けERPシステム「Galileopt NX-Ⅰ」、中小企業向け新ERPシステム「MJSLINK NX-Ⅰ」などを主力として、会計事務所が抱えている課題を解決することで中小企業支援にも?がるトータルソリューションが強みだ。13年10月には、連結会計システム開発のプライマルと資本・業務提携して、個別会計から連結会計、企業情報開示、連結納税までグループ経営支援のソリューション提供を強化している。
14年5月に発表した第3次中期経営計画(15年3月期~17年3月期)では、目標数値として最終年度17年3月期売上高260億円、経常利益40億円、純利益24億50百万円、売上高経常利益率15%、ROE15%を掲げている。
重点戦略としては、顧客基盤を拡大するための販売戦力増強と販路拡大(市場ポテンシャルに合わせた人的リソース配分の適正化、販社M&Aも活用したエリア拡大、顧客サポート体制および経営情報サービスの充実など)、新たな顧客を創造する新製品・サービスの開発(マルチデバイスに対応したクラウドサービスなど)、新規事業による新たな収益基盤の確立(利益率向上に向けた事業ポートフォリオの再設計、中小企業の事業再生支援サービスへの参入など)を推進する方針だ。
新規事業に関しては、登録会員数が120万人を突破した中小・ベンチャー企業支援ビジネス情報サイト「bizocean(ビズオーシャン)」のクラウド拡充と新たなネットビジネスへの展開、マルチデバイス対応のお金管理アプリ「マネトラ」による消費者間取引(CtoC)市場への参入、経済団体・FC企業等への会計クラウドサービスの提供などを推進する方針だ。
14年5月には、全国商工会連合会、都道府県商工会連合会および市町村商工会と、その会員事業者向けの「会計・税務のクラウド型アプリケーションソフト」を開発した。全国の商工会会員85万事業者が利用可能なアプリケーションソフトである。また14年6月にはジャパンネット銀行と提携して、CtoC向けクラウド型会計アプリ「個人収支管理アプリbyマネトラ」の提供を発表している。
7月31日に発表した今期(15年3月期)第1四半期(4月~6月)の連結業績は、売上高が前年同期比8.0%増の56億22百万円、営業利益が同15.7%増の5億96百万円、経常利益が同14.0%増の6億19百万円、純利益が同22.1%増の3億69百万円だった。品目別売上高は、システム導入契約売上が同7.7%増の36億52百万円、サービス収入が同7.1%増の1861百万円だった。
システム導入契約売上ではハードウェア、ソフトウェア、ユースウェア(システム導入支援サービス)とも好調に推移した。サービス収入ではサプライ・オフィス用品が低調だったが、会計事務所向けソフト使用料収入や企業向けソフトウェア運用支援サービス収入などが好調だった。
通期の連結業績見通しは前回予想(5月9日公表)を据え置いて売上高が前期比2.3%増の225億90百万円、営業利益が同5.4%増の25億20百万円、経常利益が同4.8%増の25億40百万円、純利益が同8.7%増の15億10百万円で、配当予想は前期と同額の年間15円(期末一括)としている。
会計事務所向けシステムや中小企業向けERPシステムの拡販を推進し、新規顧客開拓の強化、顧客基盤の拡大、ソフト保守サービス契約率の上昇なども寄与する。システム導入契約売上、サービス収入とも好調に推移して4期連続最高益更新の見込みだ。
通期見通しに対する第1四半期の進捗率は売上高が24.9%、営業利益が23.7%、経常利益が24.4%、純利益が24.4%と概ね順調な水準である。ストック型収益の積み上げで通期上振れ余地があり、中期的にも増収増益基調だろう。
株価の動き(3月27日付けで貸借銘柄に選定、4月1日付で単元株式数を500株から100株に変更)を見ると、4月~5月の400円近辺でのモミ合いから上放れ、13年9月高値469円を突破して7月29日の549円まで上伸した。その後は利益確定売りで一旦反落したが、480円近辺から切り返しの動きを強めている。好業績を評価する流れに変化はないようだ。
8月13日の終値516円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS49円23銭で算出)は10~11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間15円で算出)は2.9%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS402円29銭で算出)は1.3倍近辺である。日足チャートで見ると一旦割り込んだ25日移動平均線を素早く回復した。週足チャートで見ると13週移動平均線近辺から反発してサポートラインを確認した形だ。指標面には依然として割安感があり自律調整が一巡して上値を追う展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
財務・会計ソフトのミロク情報サービス<9928>(東1)の株価は、4月~5月の400円近辺でのモミ合いから上放れ、13年9月高値469円を突破して7月29日の549円まで上伸した。
economic
2014-08-14 09:15