アスカネットは8月高値から一旦反落したが、空中結像AIプレート量産化期待の流れに変化なし
写真加工関連のアスカネット <2438> (東マ)の株価は、7月中旬に再動意の形となって8月5日の高値1万2190円まで急伸した。その後は一旦反落して8000円~9000円近辺で推移している。目先的には高値圏で乱高下の可能性だが、空中結像技術エアリアルイメージング(AI)プレートの量産化を期待する流れに変化はなく、上値を試す場面がありそうだ。なお9月5日に第1四半期(5月~7月)の業績発表を予定している。
葬儀社・写真館向け遺影写真合成・加工関連のメモリアルデザインサービス事業、写真館・コンシューマー向けオリジナル写真集製作関連のパーソナルパブリッシングサービス事業を主力としている。遺影写真は葬儀関連、写真集はウエディング関連や卒業・入学イベント関連などが主力市場であり、景気変動の影響を受けにくく安定収益源となっていることが特徴だ。
13年10月には、広島、幕張に次ぐ第3のオペレーション拠点として、びわこオペレーションセンター(滋賀県大津市)を開設した。また今期(15年4月期)第3四半期(11月~1月)には、新規事業としてインターネットを活用したBtoC新サービスのリリースを予定している。
空中結像技術エアリアルイメージング(AI)プレートについては、現状は試作品を販売してプレ量産も可能だが、低価格化と大量生産を可能にする本格量産技術(ファブレス形態で製造して自社ブランドで販売)の確立を最優先課題として、独自技術を強固にするため特許申請も進めている。本格量産開始時期は未定だが、目標としては今期(15年4月期)中に量産技術を確定して、本格量産に向けた設備体制等の検討に入りたいとしている。
今期(15年4月期)の業績(非連結)見通し(6月10日公表)は売上高が前期比4.6%増の49億84百万円、営業利益が同6.3%減の6億73百万円、経常利益が同6.9%減の6億76百万円、純利益が同2.6%減の4億34百万円で、配当予想は前期と同額の年間32円(期末一括)としている。インターネットを活用したBtoC新サービスに関する広告宣伝費やシステム償却など、先行費用が発生するため減益見込みとしているが、売上面では3事業とも堅調に推移して増収の見込みだ。
セグメント別売上高の計画はメモリアルデザインサービス事業が同3.1%増の23億03百万円、パーソナルパブリッシングサービス事業が同4.2%増の26億09百万円、エアリアルイメージング事業が量産品販売を見込まず試作品販売で62百万円、そして新規事業のBtoC新サービス(純額手数料収入)が10百万円としている。
会社見通しは保守的な印象も強い。前期稼動したびわこオペレーションセンターの本格寄与や、生産性向上の効果なども期待され、上振れ余地があるだろう。第3四半期にリリース予定のBtoC新サービスの寄与も注目される。
株価の動きを見ると、7月中旬に再動意の形となり、直前の5000円近辺でのモミ合いから8月5日の高値1万2190円まで急伸した。その後は利益確定売りで8月8日に7500円まで反落する場面があったが、概ね8000円~9000円近辺で推移している。
8月13日の終値8780円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS103円66銭で算出)は85倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間32円で算出)は0.4%近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS879円50銭で算出)は10倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線が接近して目先的な過熱感が解消し、週足チャートで見ると26週移動平均線が上向きに転じてきた。目先的には乱高下の可能性だが、AIプレート量産化を期待する流れに変化はなく、上値を試す場面がありそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
写真加工関連のアスカネット<2438>(東マ)の株価は、7月中旬に再動意の形となって8月5日の高値1万2190円まで急伸した。
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2014-08-14 09:15