リオンは4~6月期減益に対する売りが一巡して反発のタイミング

  補聴器首位のリオン <6823> の株価は、7月30日発表の第1四半期(4月~6月)業績を受けて急落し、8月8日には年初来安値1263円まで調整した。第1四半期の減益や通期見通しに対する進捗率の低さが売りに?がったようだ。ただしその後は下げ渋る動きとなり、8月14日には1330円まで反発する場面があった。売りがほぼ一巡して反発のタイミングだろう。   医療機器事業(補聴器や医用検査機器など)および環境機器事業(音響・振動計測器や微粒子計測器など)を展開し、高機能・高付加価値製品の開発・販売を強化している。補聴器では最上位クラス「リオネットマジェス」、中価格帯「リオネットプレシア」、エントリーモデル「リオネットプレシアV」、低価格のポケット型デジタル補聴器など商品ラインナップの充実を推進している。   14年6月には「透析液中バイアブルパーティクルカウンタ」について、日機装 <6376> との販売契約締結の合意を発表した。11年12月に開発した「水中の生物粒子計数器」を元にして、透析現場での実用化に成功した。今後正式契約の締結によって当社が製造、日機装が販売を担当し、14年10月1日から販売を開始する。   7月30日に発表した今期(15年3月期)第1四半期(4月~6月)の連結業績は、売上高が前年同期比0.4%減の41億03百万円、営業利益が同18.4%減の3億21百万円、経常利益が同19.4%減の3億29百万円、純利益が同23.6%減の1億88百万円だった。環境機器事業は好調だったが、医療機器事業で比較的利益率の高いオーダーメイド補聴器の売上構成比が低下して減益だった。   セグメント別に見ると、医療機器事業は売上高が同3.5%減の25億90百万円、営業利益が同34.3%減の2億36百万円だった。医用検査機器は医療機関の買い替え需要で堅調だったが、補聴器の売れ筋製品が低価格機種にシフトしたことを主因に減収減益だった。環境機器事業は売上高が同5.5%増の15億13百万円、営業利益が同2.5倍の85百万円だった。自動車関連向け音響・振動計測器、半導体関連向け微粒子計測器、医薬・食品関連向け液中微粒子計が好調だった。   通期の連結業績見通しは前回予想(4月30日公表)を据え置いて売上高が前期比1.6%増の188億円、営業利益が同4.9%増の23億円、経常利益が同2.6%増の23億円、純利益が同6.4%増の14億円で、配当予想は前期と同額の年間25円(第2四半期末12円、期末13円)としている。セグメント別の計画は、医療機器事業の売上高が同微増の113億円、営業利益が同3.5%増の15億円、環境機器事業の売上高が同3.9%増の75億円、営業利益が同8.0%増の8億円としている。   医療機器事業は、医用検査機器が新製品投入や拡販効果、補聴器が14年7月投入した普及価格帯の新製品「リオネットクラッセ」などラインナップ拡充効果で、堅調な推移を見込んでいる。環境機器事業は、国内外の高水準の設備投資需要を背景として音響・振動計測器の増収を見込み、医薬関連向け微粒子計測器のシステム受注も見込んでいる。通期見通しに対する第1四半期の進捗率は売上高が21.8%、営業利益が14.0%、経常利益が14.3%、純利益が13.4%と低水準だったが、第2四半期(7月~9月)以降の増収で挽回可能としている。   株価の動きを見ると、概ね1450円~1550円近辺のレンジでモミ合う展開だったが、7月30日発表の第1四半期業績を受けて急落し、8月8日には年初来安値となる1263円まで調整した。第1四半期の減益や通期見通しに対する進捗率の低さが売りに?がったようだ。ただしその後は下げ渋る動きとなり、8月14日には1330円まで反発する場面があった。売りがほぼ一巡したようだ。   8月14日の終値1327円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS115円44銭で算出)は11~12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間25円で算出)は1.9%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1205円37銭で算出)は1.1倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線が抵抗線となり、さらに失望売りでモミ合い下放れの形となったが、売られ過ぎ感も強めている。失望売りが一巡して反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
補聴器首位のリオン<6823>(東1)の株価は、7月30日発表の第1四半期(4月~6月)業績を受けて急落し、8月8日には年初来安値1263円まで調整した。
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2014-08-15 09:15