電算システムは7月高値から反落したが目先的な売り一巡、好業績を評価して上値試す
情報サービス事業および収納代行サービス事業を展開する電算システム <3630> の株価は、13年10月高値1540円を突破し、7月23日には第2四半期累計(1月~6月)業績の増額修正を好感して1696円まで上値を伸ばした。その後は利益確定売りで反落し、7月31日には1400円まで急落した。通期見通し据え置きを嫌気したようだが、足元は1400円近辺で下げ渋り感を強めている。目先的な売りが一巡し、好業績を評価して上値を試す展開だろう。
情報サービス事業(SI・ソフト開発、情報処理サービス、商品販売)と、収納代行サービス事業(コンビニ収納代行、郵便振替決済代行、ネットショッピング決済、電子マネー決済)を収益柱として、クラウドサービスや電子マネーへの対応を強化している。
13年10月にはNTTドコモ <9437> と業務提携して、米Googleの企業向けクラウドビジネスに関する戦略的パートナーとして連携を強化した。14年6月には、ファイルフォース社と当社のサービス開発力を融合した企業向けクラウド型ファイルマネージメントサービス「BizFileforce(ビズファイルフォース)」の販売を開始した。
14年7月には、キャノンマーケティングジャパン <8060> グループのガーデンネットワークを子会社化(株式取得9月1日予定)すると発表した。ガーデンネットワークは全国約2000箇所のガソリンスタンド向けに、勘定系システムや情報系システムを提供している。当社と商圏が競合していないため、エネルギー業界向けITサービス提供拡大に向けてシナジー効果が期待できるとしている。
7月30日発表の今期(14年12月期)第2四半期累計(1月~6月)連結業績(7月23日に増額修正を発表)は、売上高が前年同期比8.4%増の131億52百万円、営業利益が同20.8%増の6億37百万円、経常利益が同25.0%増の6億50百万円、純利益が同26.1%増の3億73百万円だった。第2四半期累計としては売上、利益とも過去最高となった。ウインドウズXPサポート終了に伴う駆け込み需要などで、情報サービス事業が想定以上だった。
セグメント別に見ると、情報サービス事業は売上高が同15.7%増の69億61百万円、営業利益(全社費用等調整前)が同43.3%増の4億21百万円だった。SI・ソフト開発でのオートオークション業向けシステム、広告出版業の販売管理システム、製造業向け情報管理システムなどの大型案件検収に加えて、ウインドウズXPサポート終了に伴う駆け込み需要でシステム機器の受注が好調だった。情報処理サービスでは請求書作成代行のアウトソーシング業務などが順調だった。
収納代行サービス事業は売上高が同1.3%増の61億91百万円、営業利益が同7.8%増の2億39百万円だった。決済サービスで売上とクレジット手数料を相殺して純額表示とした影響で売上高は微増にとどまったが、新規顧客開拓に加えて、収納代行窓口サービスが順調に拡大したようだ。
通期の連結業績見通しについては前回予想(1月30日公表)を据え置いて売上高が前期比9.9%増の270億円、営業利益が同10.2%増の11億20百万円、経常利益が同9.6%増の11億20百万円、そして純利益が同12.4%増の6億67百万円としている。配当予想は年間22円(第2四半期末11円、期末11円)で、13年7月1日付の株式2分割を考慮すると実質的に前期比2円増配となる。
情報サービス事業では大型案件やGoogleクラウドビジネスの業務提携効果、収納代行サービス事業では新規顧客開拓などが牽引する。不透明感が強いとして通期見通しを据え置いたが、通期見通しに対する第2四半期累計の進捗率は売上高が48.7%、営業利益が56.9%、経常利益が58.0%、純利益が55.9%と高水準である。通期利益見通しに上振れ余地があるだろう。
中期経営計画では目標数値として、16年12月期売上高350億円(情報サービス事業194億円、収納代行サービス事業156億円)、営業利益18億20百万円、経常利益18億20百万円、純利益11億62百万円を掲げている。クラウドサービスを第3の柱に育成する方針であり、中期的に収益拡大基調だろう。
なお7月30日に、14年12月期末における株主優待品の詳細が決定したと発表している。対象は14年12月31日現在1単元(100株)以上所有株主で、奥美濃「郡上」特産品1~4および当社オリジナルQUOカードの中から1つ(3000円相当)を選択する。
株価の動きを見ると、2月~3月安値圏1000円近辺から切り返して順調に水準を切り上げ、7月7日に1575円を付けて13年10月高値1540円を突破した。さらに7月23日には第2四半期累計業績の増額修正を好感して1696円まで上値を伸ばした。その後は利益確定売りで反落し、7月31日には1400円まで急落した。通期見通し据え置きを嫌気したようだが、足元は1400円近辺で下げ渋り感を強めている。目先的な売りが一巡したようだ。
8月14日の終値1426円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS69円12銭で算出)は20~21倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間22円で算出)は1.6%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS723円51銭で算出)は2.0倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線を割り込んで調整局面だが、週足チャートで見ると13週移動平均線近辺で下げ渋りの動きを強めている。目先的な売りが一巡してサポートラインを確認した形であり、好業績を評価して上値を試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
情報サービス事業および収納代行サービス事業を展開する電算システム<3630>(東1)の株価は、13年10月高値1540円を突破し、7月23日には第2四半期累計(1月~6月)業績の増額修正を好感して1696円まで上値を伸ばした。
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2014-08-15 09:15