クリーク・アンド・リバー社は13年5月高値は射程圏で上値追い

  エージェンシー事業のクリーク・アンド・リバー社 <4763> (JQS)の株価は、急伸した7月25日高値586円から8月6日480円まで一旦反落したが、素早く切り返して8月14日には581円まで上伸する場面があった。今期(15年2月期)業績見通し増額の可能性を評価し、8月12日発表の自己株式取得も好感する動きだ。13年5月高値600円は射程圏であり、上値追いの展開だろう。   日本のクリエイティブ分野(映像・テレビ番組・ゲーム・Web・広告などの制作)で活躍するクリエイターを対象としたエージェンシー(派遣・紹介)事業・ライツマネジメント(著作権管理)事業・制作請負事業を主力として、韓国のクリエイティブ分野、医療・IT・法曹・会計などの分野にもエージェンシー事業を展開している。   日本のクリエイティブ分野では、13年8月公開のテレビ朝日開局55周年記念劇場公開映画「少年H」(モスクワ映画祭特別賞受賞)の制作を担当したことが評価され、番組制作請負事業が急拡大している。13年度(13年4月~14年3月)には地上波テレビ放送で200以上の番組制作に携わった。   新規分野として電子書籍・海外版権エージェント事業、作家エージェント事業、オンラインクリエイター事業、建築エージェンシー事業、ファッションクリエイター・エージェンシー事業にも進出している。13年12月には、ファッションクリエイター・エージェンシー事業の成長加速に向けて、アパレル業界に特化した人材派遣会社インター・ベルを連結子会社化した。またクリエイティブ分野においてクラウド関連サービスの立ち上げ準備も進めている。   今期(15年2月期)の連結業績見通しは前回予想(4月3日公表)を据え置いて売上高が前期比11.6%増の230億円、営業利益が同23.6%増の13億50百万円、経常利益が同23.6%増の13億50百万円、純利益が同32.4%増の6億50百万円、配当予想は同1円増配の年間6円(期末一括)としている。全セグメントが好調であり、新規事業分野での費用先行などを吸収して大幅増収増益見込みだ。   セグメント別売上高(内部取引等消去前)の計画は、クリエイティブ分野(日本)が同9.6%増の145億円、クリエイティブ分野(韓国)が同7.3%増の32億円、医療分野が同4.3%増の26億50百万円、IT・法曹・会計・その他分野が同42.6%増の27億円としている。   クリエイティブ分野(日本)は高付加価値のテレビ番組制作請負や大規模Webサイト制作などが増加基調であり、自社開発ソーシャルゲームの新タイトル投入も寄与する。クリエイティブ分野(韓国)は派遣以外の取引拡大で収益が改善し、医療分野は営業基盤強化策の効果、IT・法曹・会計分野はIT関連の事業再構築の効果が寄与する。その他分野では12年に開始した電子書籍取次事業の黒字化も寄与する。また新規事業(作家エージェント、オンラインクリエイター、建築エージェンシー、ファッションクリエイター・エージェンシー)も順次収益化する見込みだ。   第1四半期(3月~5月)は前年同期比26.8%増収、同49.8%営業増益、同50.9%経常増益、同2.2倍最終増益で、通期見通しに対する進捗率は売上高が26.5%、営業利益が42.8%、経常利益が43.2%、純利益が53.7%と高水準だった。通期上振れの可能性が高いだろう。   中期成長戦略では、既存事業で年率10~15%の成長を見込み、新たにスタート予定のクラウド関連サービスを含めた新規分野の積み上げ・収益化で、18年2月期に売上高300億円、営業利益30億円をイメージしている。中期的に収益拡大基調だろう。   なお8月12日に自己株式取得を発表した。取得株式総数の上限40万株、取得価額総額の上限2億円で、取得期間は14年8月13日~14年8月22日としている。   株価の動きを見ると、4月~5月の安値圏350円近辺で下値固めが完了して切り返し、14年1月高値505円を突破して7月25日の586円まで急伸し、13年5月高値600円に接近した。利益確定売りで8月6日の480円まで一旦反落したが、素早く切り返して8月14日には581円まで上伸する場面があった。今期の大幅増収増益見通しを評価し、自己株式取得も好感する動きだろう。   8月15日の終値567円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS30円19銭で算出)は18~19倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間6円で算出)は1.1%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS185円70銭で算出)は3.1倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線近辺から反発して強基調を確認した形だ。また週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなりそうだ。13年5月高値600円は射程圏であり、今期業績増額修正の可能性や自己株式取得を評価して上値追いの展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
エージェンシー事業のクリーク・アンド・リバー社<4763>(JQS)の株価は、急伸した7月25日高値586円から8月6日480円まで一旦反落したが、素早く切り返して8月14日には581円まで上伸する場面があった。
economic
2014-08-18 09:15