キーウェアソリューションズは第1四半期営業赤字で急落したが、売り一巡して反発のタイミング

  システム受託開発やシステムインテグレーションのキーウェアソリューションズ <3799> (東2)の株価は、6月19日の戻り高値860円から反落して700円近辺でモミ合う展開だったが、第1四半期(4月~6月)の営業赤字のため急落し、8月6日に533円、8月8日に535円まで調整する場面があった。ただし足元は概ね550円~570円近辺で推移し、売り一巡感を強めている。反発のタイミングだろう。   システム受託開発事業(公共システム開発、ネットワークシステム開発)、経営とITの総合コンサルティング事業(システムインテグレーション、ITサービス、サポートサービス)、その他事業(機器販売など)を展開している。主要顧客は筆頭株主であるNEC <6701> グループ向けが約4割を占め、NTT <9432> グループ、JR東日本 <9020> グループ、三菱商事 <8058> グループ、日本ヒューレット・パッカードなどが続いている。   NECと連携して医療分野や流通・サービス業分野へ事業領域を広げ、ERP(統合業務パッケージ)関連やセキュリティ関連も強化している。中期的にはマイナンバー制度(社会保障・税番号制度)導入や、20年東京夏季五輪に向けたインフラ投資などで受注拡大が期待される。   7月31日に発表した今期(15年3月期)第1四半期(4月~6月)の連結業績は、売上高が前年同期比8.8%減の33億34百万円、営業利益が3億24百万円の赤字(前年同期は21百万円の利益)、経常利益が3億32百万円の赤字(同3百万円の利益)、純利益が3億85百万円の赤字(同27百万円の利益)だった。競争激化に伴う採算性の低下に加えて、一部案件で想定の利益を確保できず減収、営業赤字となった。   セグメント別に見ると、システム受託開発事業の公共システム開発分野は通信・メディア系の受注減少などで同23.4%減収となり、前期受注の低採算案件や一部不採算プロジェクトの影響で営業赤字となった。ネットワークシステム開発分野は同8.5%増収だが、前期受注の低採算案件の影響で営業赤字が拡大した。   総合コンサルティング事業のシステムインテグレーション分野は同6.6%減収となり、前期受注の低採算案件の影響で営業赤字となった。ITサービス分野は発注単価低減など市場環境が厳しく同8.2%減収で、営業赤字となった。サポートサービス分野は同7.2%減収で、営業赤字が拡大した。その他事業は同6.9%増収だが、市場環境が厳しく営業赤字が拡大した。   通期の連結業績見通しは前回予想(5月14日公表)を据え置いて売上高が前期比4.7%増の180億円、営業利益は非開示、経常利益が同36.2%増の5億円、純利益が同70.8%増の4億10百万円、配当予想は前期と同額の年間10円(期末一括)としている。   競争激化に伴う採算性の低下に加えて、一部不採算プロジェクトも影響するが、第1四半期の受注高は同7.7%増の40億14百万円と好調に推移している。第1四半期は営業赤字に転落したが、通期ベースでは増収効果などで挽回が期待されるだろう。   株価の動きを見ると、6月19日の戻り高値860円から反落して7月以降は概ね700円近辺でモミ合う展開だったが、7月31日発表の第1四半期営業赤字のため急落し、8月6日に533円、8月8日に535円まで調整する場面があった。ただし足元は概ね550円~570円近辺で推移し、売り一巡感を強めている。   8月15日の終値556円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS50円43銭で算出)は11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は1.8%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS705円93銭で算出)は0.8倍近辺である。   週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んで調整局面だが、5月の年初来安値圏に接近して下げ渋り感を強めている。ほぼ底値圏のようだ。また日足チャートで見ると、25日移動平均線に対するマイナス乖離率が13%程度まで拡大して売られ過ぎ感を強めている。売りが一巡して反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
システム受託開発やシステムインテグレーションのキーウェアソリューションズ<3799>(東2)の株価は、6月19日の戻り高値860円から反落して700円近辺でモミ合う展開だったが、第1四半期(4月~6月)の営業赤字のため急落し、8月6日に533円、8月8日に535円まで調整する場面があった。
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2014-08-18 09:15