三洋貿易は高値更新の展開で上げ足加速、好業績を評価する流れに変化なく上値追い
ゴム・化学関連商品などの専門商社である三洋貿易 <3176> の株価は、高値更新の展開となって上げ足を加速している。8月4日に上場来高値1345円まで上伸した後に一旦反落したが、8月18日には1345円まで上伸して高値面合わせとなった。今期(14年9月期)業績に2回目の増額修正の可能性もあり、好業績見通しを評価する流れに変化はなく上値追いの展開だろう。
ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に事業展開する専門商社である。メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面では実質無借金経営であることも特徴だ。海外は米国、メキシコ、タイ、中国(上海、香港)、インド、ベトナム、インドネシアに展開している。
主力の自動車関連向けは、各種合成ゴム・添加剤に加えて、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサーなど)といった高付加価値の特殊な部品を主力としている。飼料・エネルギー・リサイクル関連では、飼料や固定燃料などを製造するペレットミルが高シェアだ。また国内子会社のコスモス商事は、地熱・海洋資源開発関連分野で掘削用機材の輸入販売・レンタルを手掛けている。
中期目標数値としては15年9月期売上高610億円、営業利益30億円を掲げている。成長戦略として、自動車関連商材を中心としたグローバル展開を強化するとともに、新規ビジネスのグリーンイノベーション領域(地熱・海洋資源開発、木質バイオマス・ガス化発電、太陽電池部材などの環境・資源エネルギー関連分野)、ライフイノベーション領域(医薬中間体・バイオ関連・医療関連商材などの生活関連分野)への事業展開を強化する方針だ。
8月6日に発表した今期(14年9月期)第3四半期累計(10月~6月)の連結業績は、売上高が前年同期比14.4%増の432億22百万円、営業利益が同39.5%増の24億85百万円、経常利益が同31.5%増の27億07百万円、純利益が同43.6%増の15億69百万円だった。自動車関連を中心に好調に推移して大幅増収増益だった。
セグメント別売上高を見ると、ゴム・化学品は自動車・情報機器関連の合成ゴムなどが好調で同7.2%増の182億14百万円、機械資材は自動車用各種部品や官公庁向け各種分析・試験機器などが好調で同31.4%増の116億60百万円、海外現地法人は米国やタイの自動車関連が好調で同26.3%増の86億59百万円、国内子会社はコスモス商事の海洋・船舶関連やCO2地中貯留関連などが好調だったが、ケムインターとアロマンの半導体関連が低調で同8.1%減の45億06百万円だった。
通期の連結業績見通しは前回予想(4月22日に増額修正)を据え置いて売上高が前期比11.6%増の570億円、営業利益が同22.9%増の30億円、経常利益が同15.4%増の32億円、純利益が同22.0%増の18億円、配当予想は前期と同額の年間30円(第2四半期末15円、期末15円)としている。
国内外での自動車関連合成ゴム商材やシート用部品の好調が牽引する。新規商材の拡販、資源関連掘削機械が好調な国内子会社の利益貢献、販管費抑制、営業外収益での受取配当金や為替差益の増加、営業外費用での株式公開関連費用の一巡なども寄与して大幅増収増益の見込みだ。セグメント別売上高はゴム・化学品が同9.7%増の249億円、機械資材が同12.1%増の140億円、海外現地法人が同26.8%増の119億円、国内子会社が同4.4%減の60億円、その他が2億円の計画としている。
通期見通しに対する第3四半期累計の進捗率は売上高が75.8%、営業利益が82.8%、経常利益が84.6%、そして純利益が87.2%と高水準である。設備投資関連商材は3月決算企業の期末にあたる第2四半期(1月~3月)の構成比が高い要因を考慮しても、通期2回目の増額修正の可能性が高いだろう。今期の営業利益は中期計画の目標数値を超過達成しそうだ。中期的にも収益拡大基調だろう。
株価の動きを見ると、5月~6月の1000円~1100円近辺でのモミ合いから上放れ、高値更新の展開となって上げ足を加速している。8月4日に上場来高値1345円まで上伸した後に、全般地合い悪化も影響して一旦反落したが、8月18日には1345円まで上伸して高値面合わせとなった。好業績見通しを評価する流れに変化はないようだ。
8月18日の終値1321円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS125円07銭で算出)は10~11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間30円で算出)は2.3%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1027円32銭で算出)は1.3倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって強基調を継続している。上値追いの展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
ゴム・化学関連商品などの専門商社である三洋貿易<3176>(東1)の株価は、高値更新の展開となって上げ足を加速している。8月4日に上場来高値1345円まで上伸した後に一旦反落したが、8月18日には1345円まで上伸して高値面合わせとなった。
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2014-08-19 09:00