エスアールジータカミヤは目先的な売りは一巡、1月高値目指す
建設用仮設機材のエスアールジータカミヤ <2445> (東2)の株価は、7月29日に1740円まで上伸して1月高値1763円に接近した。その後は、第1四半期(4月~6月)業績発表後の材料出尽くし売りなどで8月8日に1341円まで急落する場面があったが、足元では1500円近辺まで戻している。目先的な売りは一巡したようだ。中期成長力を評価する流れに変化はなく、1月高値を目指す展開だろう。
建築・土木・橋梁用仮設機材や、子会社ホリーの太陽光パネル設置架台などの販売・レンタル事業を展開し、戦略商品として作業環境改善・作業効率向上につながる次世代足場「Iq(アイ・キュー)システム」の拡販を推進している。また14年4月に海洋土木・港湾分野に豊富な実績を持つ土木・建築用仮設資材のアサヒ工業(大阪市)を子会社化し、14年7月にはホリーのベトナム新工場が竣工した。
8月7日に発表した今期(15年3月期)第1四半期(4月~6月)の連結業績は、売上高が前年同期比15.2%増の79億25百万円、営業利益が同9.9%増の4億33百万円、経常利益が同10.8%増の4億59百万円、純利益が同19.8%増の2億53百万円だった。需要が引き続き高水準に推移して増収増益だった。
セグメント別(内部取引・全社費用等調整前)に見ると、販売事業は売上高が同25.7%増の46億69百万円、営業利益が同8.6%増の5億70百万円、レンタル事業は売上高が同14.2%増の42億24百万円、営業利益が同2.3倍の2億83百万円だった。いずれも建設需要やメガソーラー需要の高まりを背景として好調に推移した。レンタル事業では価格が改善傾向を強めていることも寄与したようだ。
通期の連結業績見通しは前回予想(5月9日公表)を据え置いて売上高が前期比11.1%増の360億30百万円、営業利益が同25.8%増の38億40百万円、経常利益が同23.1%増の37億円、純利益が同25.9%増の22億27百万円、そして配当予想は同7円増配の年間20円(第2四半期末7円、期末13円)としている。
今期から本格寄与する新名神高速道路関連なども加わって、受注残高は高水準であり、クランプ、クサビ式住宅用足場、移動昇降式足場(リフトクライマー)、ソーラー向け太陽光パネル設置架台などの需要が好調に推移する。次世代足場「Iq(アイ・キュー)システム」の拡販も本格寄与しそうだ。レンタル資産の稼働率向上・効率的運用、販管費圧縮などの効果も寄与して増収増益見込みだ。
通期見通しに対する第1四半期の進捗率は低水準だが、建設関連で第4四半期(1月~3月)の比重が高い収益構造のためネガティブ要因とはならない。また今期見通しに関しては、工事現場における人手不足の影響なども考慮しているようだが、期初時点では保守的な会社見通しを公表する傾向が強いだけに通期上振れ余地があるだろう。
14年5月には中期経営計画(15年3月期~17年3月期)を発表した。基本方針をグループ経営基盤の強化、高収益体制の確立、新たな成長事業の創出として、目標数値には最終年度17年3月期の売上高450億円、営業利益52億円、経常利益50億円、純利益31億円、経常利益率10%以上、自己資本比率35%、ROE2桁台維持などを掲げている。
震災復興、社会インフラ補修・更新、首都圏を中心とした都市再開発、学校や高層マンションの修繕・耐震補強、20年東京夏季五輪などを追い風として事業環境は良好であり、中期的に収益拡大基調だろう。
株価の動きを見ると、7月中旬に1400円~1500円近辺のモミ合いから上放れとなり、7月29日には1740円まで上伸して1月高値1763円に接近した。その後は利益確定売りや第1四半期業績発表後の材料出尽くし売りで8月8日に1341円まで急落する場面があったが、足元では1500円近辺まで戻している。目先的な売りは一巡したようだ。
8月18日の終値1475円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS99円82銭で算出)は14~15倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は1.4%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS426円48銭で算出)は3.5倍近辺である。
日足チャートで見ると25日移動平均線を割り込んで調整局面の形だが、週足チャートで見ると26週移動平均線近辺で下げ渋る動きだ。サポートラインを確認した形だろう。中期成長力を評価する流れに変化はなく、反発して1月高値1763円を目指す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
建設用仮設機材のエスアールジータカミヤ<2445>(東2)の株価は、7月29日に1740円まで上伸して1月高値1763円に接近した。
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2014-08-19 09:00