【為替本日の注目点】NY株急騰でドル上昇も動きは限定的、早期利上げ観測は期待薄
NY市場
ドル円は102円台半ばでもみ合い。住宅関連指標が市場予想を上回り、長期金利も上昇したことからドル買いが優勢だったものの、102円60銭近辺で上値は抑えられた。
ユーロドルは反落。ドル高が進んだことや、ユーロ圏の経済成長に対する楽観的な見方が後退したことなどが背景。ユーロドルは1.33台後半から1.3353辺りまで売られる。
株式市場は大幅に反発。住宅価格指数が予想以上に伸びたことや、原油価格の低下を好感。ダウは175ドル高。ナスダックは43ポイント上昇し、2000年3月以来の高値を記録。
株高や好調な住宅関連指数を受け債券は反落。10年債利回りは2.39%台まで上昇。
金は続落し1300ドルの大台を割り込む。原油価格も反落し96ドル台に。
8月NAHB住宅市場指数 → 55
ドル/円 102.44~ 102.60
ユーロ/ドル 1.3353 ~ 1.3389
ユーロ/円 136.90 ~ 137.25
NYダウ +175.83 → 16,838.74ドル
GOLD -6.90 → 1,299.30ドル
WTI -0.94 → 96.41ドル
米10年国債 +0.054 → 2.394%
本日の注目イベント
豪 RBA議事録
英 英7月消費者物価指数
米 7月消費者物価指数
米 7月住宅着工件数
米 7月建設許可件数
先週末のウクライナでの緊張の高まりも、今のところそれ以上の混乱も見せなかったことで、ドル円は102円台半ばで推移しています。先週末のNYでの円高も102円13銭で下げ止まり、昨日の東京市場やNY市場では、下値を試す場面はありませんでした。
NY市場では株価が急騰し、長期金利も反発したものの、ドル円は102円60銭程度までしか上昇できていません。103円が近いようで、意外に遠いイメージです。NAHB住宅価格指数が「55」と、7ヶ月振りの上昇を示したことで、米住宅市場の回復が続いているとの見方が広がりました。
為替の動きは限定的でしたが、株式市場は10日振りに活況でした。日本の「100円ショップ」にあたる、「ダラー・ゼネラル」が同業者に買収提案をしたことで株価は急騰。さらに原油価格が低下したことで、デルタ航空などの航空株も上昇。また、ウクライナのクリムキン外相がベルリンでロシアのラブロフ外相と5時間余り会談し、「若干の進展」をもたらしたことも好感されたようです。
ドル円は102円台を固めているように思えますが、それでも米長期金利の低位安定がドルの上昇を抑制しています。米長期金利が2.5%を超えてくるようなら、103円のテストがあると予想しますが、それには政策金利の早期利上げ観測が広がることが大前提となります。今週末のジャクソン・ホールでのイエレン議長の講演には、いやがおうでも期待が集まります。議長は「労働市場」に関して講演することになっていますが、早期利上げ観測については、期待薄です。労働市場の順調な回復には言及したとしても、依然として先行きにはリスクが存在する、といった発言になるだうと予想します。
ドル円は102円台での攻防が続いて、102円60銭まで上昇したことで、短期的な動きを示す「1時間足」では遅行スパンが好転しています。ここから103円が重いながらも、上値を試そうとしているように見えます。
ユーロドルも上値が重く、1.34台前半がキャップされているかのうように上値は限定的です。一方で、1.33台半ばから下では、ショートの買い戻しもしっかり入っているようで、1.33割れを試すには至っていません。ドイツ連銀が昨日発表した月報では、地政学的リスクがドイツ経済の回復を妨げる可能性があると述べていました。同連銀は「第2四半期の停滞後、ユーロ圏経済が回復基調を取り戻す兆候はあるものの、春季の予想通りのペースには達しないだろう。通貨同盟参加国の一部で景気の勢いは予想より弱い。同時に、ウクライナやその他地域での紛争の結果である東欧での地政学リスクの高まりによる企業景況感への悪影響が増しているようだ」と解説しています。(ブルームバーグ)
本日のレンジは102円30銭~102円90銭程度を予想します。日経平均株価がどこまで続伸するかに注目です。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は102円台半ばでもみ合い。住宅関連指標が市場予想を上回り、長期金利も上昇したことからドル買いが優勢だったものの、102円60銭近辺で上値は抑えられた。
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2014-08-19 09:30