オンコリスはもみ合いも下値に2Q業績上ぶれ着地を見直し下げ過ぎ訂正買いが継続
オンコリスバイオファーマ <4588> (東マ)は、12円高の747円と4営業日続伸して始まったあと、10円安と下ぶれるなど前日終値を挟んでもみ合いを続けている。8月12日に発表した今12月期第2四半期(2Q)累計業績が、赤字で着地したものの、今年4月14日の下方修正値より赤字幅を縮小させたことを手掛かりに下げ過ぎ訂正買いが増勢となって25日移動平均線を上回ってきており、目先の利益を確定する売り物が交錯している。ただ同社株は、今年6月25日に腫瘍溶解ウイルスOBP-301(テロメライシン)の用途特許が、6月17日付けで日本で特許査定されたことを評価して2日間連続でストップ高を演じており、バイオ関連の逆行高特性の再発揮思惑は、下値に根強く続いている。
■NEDOなどの助成金収入を計上し契約一時金のズレ込みをカバー
2Q累計業績は、四半期決算が初作成となるため前年同期との比較はないが、売り上げ400万円、営業利益3億5800万円の赤字、経常利益2億7700万円の赤字、純利益2億8600万円の赤字となり、4月14日の下方修正値より売り上げが1400万円下ぶれたものの、営業利益が5600万円、経常利益が6500万円、純利益が5700万円それぞれ上ぶれ赤字幅を縮小させた。
売り上げは、2Qに見込んでいた血中浮遊がん細胞検査薬OBP-1101のライセンス契約一時金の発生が、下半期にズレ込み下ぶれたが、利益は、研究開発費の見直しに加えて、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)や科学技術振興機構(JST)などからの助成金収入5107万円、Medigen Biotechnology社からの受取研究開発負担金収入3649万円などを計上、為替差損400万円、支払利息負担200万円、本社移転費用の特別損失800万円などをカバーして上ぶれた。
12月通期業績は、米国ブリストル・マイヤーズとの抗HIV治療薬OBP-601の提携解消による4月の下方修正値を据え置き、売り上げ3000万円~10億5800万円(前期実績は100万円)、営業利益11億4500万円の赤字~3億2200万円の赤字(同6億6500万円の赤字)、経常利益10億3100万円の赤字~2億600万円の赤字(同6億2500万円の赤字)、純利益10億3100万円の赤字~2億800万円の赤字(同6億3500万円の赤字)とレンジで予想している。
■最安値から93%高し3分の2押し水準から一段の戻りを窺う
株価は、昨年12月6日の新規株式公開(IPO)とともに発表した岡山大学大学院・医歯薬学総合研究科の藤原俊義教授による食道癌患者に対するテロメライシンの第1例の投与を受けて上場来高値3750円と公開価格2600円に比べて44%高と高人気化し、米ブリストル・マイヤーズとの提携解消が響いて同安値556円まで大きく調整した。同安値からはOBPー601の製造特許登録、NEDOの支援事業採択、さらにテロメライシンの用法特許査定などの好材料が続いて2日連続のストップ高を含めて1071円と安値比93%高と大きく底上げし、この上昇幅の3分の2押し水準でもみ合いを続けている。全般相場の先行きが不透明化する環境下、逆行高特性のあるバイオ株への注目度もアップしており、その有力な一角として一段の戻りを試そう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
オンコリスバイオファーマ<4588>(東マ)は、12円高の747円と4営業日続伸して始まったあと、10円安と下ぶれるなど前日終値を挟んでもみ合いを続けている。
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2014-08-19 09:45