インバウンド(訪日観光)の肝 「日本で買う物リスト」に載るには

 弊社は銀座にありますが、毎日たくさんの観光客を見かけます。観光局が6月中旬に発表した今年1-5月の訪日外国人客数は、前年同期比で28%増加し、520万人を超えたとのことです。東南アジア向けのビザ発給要件が緩和されたことや、羽田空港の国際線増便などが功を奏し、好調に増加しています。実際、銀座の中央通り等には連日観光バスが列をなして駐車しています。観光客の急増で観光バス不足が深刻化しているほどです。 ■勝負は来日前に決まっている  街に溢(あふ)れる観光客の目的は、観光、グルメそしてショッピングです。特にアジア女性らは、日本で化粧品を購入することを楽しみにしています。観光局の2013年度訪日外国人消費動向調査によりますと、2013年の訪日外国人旅行消費額は1兆4168億円で、消費額が多い順に中国、台湾、韓国となっています。  国土交通省の試算では、訪日客11人分の消費額が定住人口で1人分に相当するとのことですから、インバウンド市場は決して侮れません。政府は2020年の東京オリンピックまでに観光客を今の倍にする目標を掲げており、ここを取りこぼすのはもったいない話です。  さらに今年10月からは海外からの観光客に対して化粧品、食品などあらゆる物が消費税免税となるためインバウンド事業にとって強力な追い風が吹きます。すでに大手家電量販店やドラッグストアは免税カウンターを増設したり通訳を置いたり、来日観光客が買物しやすい体制を整えはじめていますが、実はインバウンド事業の肝はそこではありません。  勝負は来日前に決まっているのです。  観光客は、日本に来たら買物だけでなく、観光やグルメにと大忙し。ゆっくりウインドーショッピングなどはしません。来日前に作成した「買い物リスト」を持って足早に買い回ります。つまりは、この「買い物リスト」にいかに載るかが重要です。 ■「買い物リスト」に載るには  では、いかにしてこのリストに載るか?  そのヒントは、インターネットにあります。中国、台湾などアジアからの観光客は事前に旅行に行く場所をインターネットで徹底的に調べます。もちろん観光案内や交通案内等の情報サイトも見ますが、一番熱心に見るのが「日本に旅行に行った人達の感想ブログ」です。  日本に来た人が「この品はよい」とネットで発言して、それを見た人が買い、買った人がまたネットで発言して……。この好循環が出来ればベストで、これを目指すべきです。弊社もこの好循環を作るためのサイトを制作し運営を始めましたが、すでに想定を上回るペースで売れており手ごたえを感じています。  来日した観光客にビラを配るのは簡単な施策ですが、効果は限定的です。インバウンドは、世界的に有名な商品でない限り、事前にインターネットを使いどれだけリーチできたかが重要なのです。(執筆者:沖野 真紀 提供:中国ビジネスヘッドライン)
弊社は銀座にありますが、毎日たくさんの観光客を見かけます。観光局が6月中旬に発表した今年1~5月の訪日外国人客数は、前年同期比28%増加し520万人を超えたとのことです。
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2014-08-20 07:45