サンコーテクノは長期上昇トレンドを継続、6月高値後の自律調整が一巡して上値追い
アンカー大手のサンコーテクノ <3435> (JQS)の株価は、13年夏を起点とする長期の上昇トレンドを継続している。6月に高値2921円を付けた後は上げ一服局面だが、高値圏2700円~2800円近辺で堅調に推移している。好業績を評価する流れに変化はなく、今期(15年3月期)業績増額の可能性も支援材料だ。6月高値後の自律調整が一巡して上値追いの展開だろう。
ファスニング事業(あと施工アンカー、アンカー打込み機など)、リニューアル事業(FRPシート、太陽光発電関連など)、センサー事業(電子基板関連試験機、アルコール測定器など)を展開している。あと施工アンカーはコンクリート用の特殊ネジ・釘類のことであり、当社はあと施工アンカーおよびオールアンカーの最大手である。
あと施工アンカー、アンカー打込み機、FRPシートなどは震災復興関連、都市再開発関連、耐震補強関連、老朽化インフラ補修・更新関連など建設工事の増加が追い風であり、太陽光発電関連商材はメガソーラーや太陽光発電付き住宅の増加が追い風である。中期的に事業環境は良好だ。
8月12日に発表した今期(15年3月期)第1四半期(4月~6月)の連結業績は、売上高が前年同期比7.3%増の37億61百万円で、営業利益が同35.5%増の2億45百万円、経常利益が同56.0%増の2億40百万円、純利益が同81.9%増の1億44百万円だった。あと施工アンカーの好調が牽引して大幅増益だった。
セグメント別(内部取引・全社費用等調整前)に見ると、ファスニング事業は売上高が同10.3%増の30億20百万円、営業利益が同56.7%増の2億18百万円だった。主力の金属系・接着系アンカー、ワンサイドファスナー、電動油圧工具などが好調に推移した。
リニューアル事業は売上高が同6.8%減の6億11百万円、営業利益が同51.3%減の19百万円だった。ハウスメーカー関連が好調で、太陽光関連でメガソーラー案件も受注したが、FRPシートが補助金制度による特需の反動減となった。センサー事業は売上高が同0.6%増の1億52百万円、営業利益が5百万円(前年同期は2百万円の赤字)だった。売上高は横ばいだったが、電子基板関連の販売価格見直しなどが寄与して営業損益が改善した。
通期の連結業績見通しは前回予想(5月14日公表)を据え置いて、売上高が前期比4.6%増の180億円、営業利益が同0.4%増の15億20百万円、経常利益が同0.5%増の14億80百万円、純利益が同4.4%増の9億50百万円、配当予想は前期から記念配当5円を落として年間25円(期末一括)としている。
セグメント別(内部取引・全社費用等調整前)計画を見ると、ファスニング事業は売上高が同5.1%増の137億57百万円、営業利益が同4.7%増の11億76百万円、リニューアル事業は売上高が同2.6%増の37億円、営業利益が同11.7%減の3億18百万円、そしてセンサー事業は売上高が同16.7%増の7億56百万円、営業利益が同17.4%増の27百万円としている。
ファスニング事業は、都市圏を中心とする再開発・耐震化工事、社会インフラ維持・補修工事の増加などを追い風として、金属系・接着系あと施工アンカー、ドリルなどの施工関連ツール、引張確認試験機、電動油圧工具などが好調に推移する。リニューアル事業ではメガソーラー・ハウスメーカー向け太陽光発電関連工事・商材、センサー事業では電子基板関連試験機が好調だ。
需要は高水準に推移するが、ゼネコンの工事現場における人手不足の影響、リニューアル事業における工事原価の上昇、50周年記念イベントに伴う販管費の増加、給与水準引き上げに伴う人件費の増加、設備投資の増加などを考慮して、利益は前期比横ばいの計画としている。しかし会社予想には保守的な印象が強い。利益率の高い新商品比率の上昇も寄与して増額の可能性があるだろう。
建設現場では人手不足の影響が深刻化しているが、現場作業の省力化・機械化、さらに外国人や女性の活用など非熟練作業者の増加に向けた動きも活発化している。このため現場ニーズに応じて使いやすさを高めた施工ツール、あと基礎アンカー、アンカー打込み機、紫外線硬化FRPシートといった当社の主力製品の採用が一段と広がりそうだ。事業環境は良好であり、新製品の開発・拡販、さらに海外展開の本格化も寄与して中期的に収益拡大基調だろう。
株価の動きを見ると、13年夏を起点とする長期の上昇トレンドを継続している。6月に高値2921円を付けた後は上げ一服局面だが、高値圏2700円~2800円近辺で堅調に推移している。好業績を評価する流れに変化はないようだ。
8月19日の終値2820円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS233円45銭で算出)は12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間25円で算出)は0.9%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1999円86銭で算出)は1.4倍近辺である。
週足チャートで見ると13年夏1200円近辺を起点とする上昇トレンドを継続している。足元はサポートラインの13週移動平均線近辺から反発の形であり、6月高値2921円を試す動きのようだ。上昇トレンドに変化はなく、今期業績増額の可能性も支援材料だ。6月高値後の自律調整が一巡して上値追いの展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
アンカー大手のサンコーテクノ<3435>(JQS)の株価は、13年夏を起点とする長期の上昇トレンドを継続している。6月に高値2921円を付けた後は上げ一服局面だが、高値圏2700円~2800円近辺で堅調に推移している。
economic
2014-08-20 09:15