【為替本日の注目点】米住宅指標好感ドル全面高、株価と103円近辺のドル売り注目

 NY市場  ドル円は住宅着工件数が市場予想を大幅に上回ったことから利上げ観測が前倒しになり続伸。一時102円94銭までドルが買われ、今月1日以来のドル高水準をつける。   ドル高の流れにユーロも売られ、一時1.3313まで下落。ユーロ圏の景気に対する弱気の見方が改めて蒸し返される。   株式市場は続伸。住宅着工件数が8ヶ月振りの高水準だったことを好感し、ダウは80ドル上昇。S&P500は史上最高値に再び接近。   債券相場は好調な経済指標に続落。本日公表されるFOMC議事録を前にポジション調整の側面もあり、長期金利は2.4%台まで上昇。   金は3日続落。原油も大幅に下落し、1月以来となる94ドル台を示現。   7月消費者物価指数   → +0.1%   7月住宅着工件数    → 109.3万件   7月建設許可件数    → 105.2万件   ドル/円 102.63~ 102.94  ユーロ/ドル 1.3313 ~ 1.3358  ユーロ/円 136.81 ~ 137.12  NYダウ +80.85  → 16,919.59ドル  GOLD -2.60 → 1,296.70ドル  WTI -1.93    → 94.48ドル  米10年国債 +0.009  → 2.403%  本日の注目イベント  日   7月貿易収支   独   独7月生産者物価指数   英   BOE議事録   米   FOMC議事録(7月29、30日分)   7月の米国住宅着工件数が109.3万件と、先月の件数を15.3%上回る結果に、ドル円は102円94銭まで買われ、今月1日以来となるドル高水準をつけています。前日のNAHB住宅価格指数に加え、着工件数と住宅許可件数が上振れしたことで早期の利上げ観測につながり、ドルが全面高の展開になっています。労働市場や製造業、あるいは消費者マインドなどの指標は改善傾向を示しているものの、住宅関連の指標にいまいち改善が見られなかった状況でしたが、昨日の発表で米景気に対する強気の見方が改めて確認された格好になりました。  昨日のNY市場ではこの指標発表に、ドルが主要通貨に対して買われ、さらに金や原油なども大幅に下落し、ドルがほぼ全面高の様相でした。これまでは、良好な経済指標が出ると、利上げが早まるとの観測から株式市場にはネガティブな材料として捉えられ株価が下落し、それがドル円の上値を抑える形になっていましたが、昨日は株価も上昇し、債券が売られるなど、各市場は良好な経済指標に素直に反応しています。  ドル円は今月1日以来となる102円94銭まで買われ、NY市場ではほぼ高値圏で取引を終えており、再び103円台が視野に入って来ました。「ドル円は102円台を固めているように見える」と、この欄でも何度か書きましたが、102円台をしっかり固めた可能性もあります。  ただそうは言っても、103円台で定着するにはまだ米長期金利などが低すぎます。先月末から今月始めに掛けても103円台までドル高が進んだものの、滞空時間は短く、103円台での上値の重さだけが残った感じでした。今回再び103円台をテストする状況になって来ましたが、前回のように押し戻されるのか、あるいは103円台に乗せて踏みとどまれるのか、注目したいと思います。できれば、もう一押しドル高材料が欲しいところですが、今朝発表される日本の貿易収支や、今夜のFOMC議事録などに期待したいと思います。  ユーロドルも今月6日に記録した1.3333の安値を下回ってきました。ショートポジションの積み上がりが高水準であることから、下値では利食いのユーロ買いも多くあろうかと思いますが、それでも先日発表されたユーロ圏の「ゼロ成長」や、ドイツの成長鈍化などを考えれば上値は限定的と言わざるを得ません。さらにロシアに対する経済制裁の影響を考えれば、今後はさらに景気が悪化する可能性が高いと思われます。やはりユーロドルは1.30に向かって緩やかに下落すると考えるのが順当かと思います。  本日のレンジは102円50銭~103円20銭程度を予想します。株価の行方と同時に、103円近辺のドル売りをこなせるかどうかにも注目です。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は住宅着工件数が市場予想を大幅に上回ったことから利上げ観測が前倒しになり続伸。一時102円94銭までドルが買われ、今月1日以来のドル高水準をつける。 
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2014-08-20 09:30