うかいは第1四半期減益に対する反応は限定的、モミ合い煮詰まり感強めて上放れのタイミング
高級料理店うかい <7621> (JQS)の株価は、2000円近辺での下値固めが完了して6月24日の2280円まで上伸した後、概ね2200円~2250円の小幅レンジでモミ合う展開となった。ただし第1四半期(4月~6月)の大幅減益に対する反応は限定的であり、煮詰まり感を強めてモミ合い上放れのタイミングだろう。9月中間期末の株主優待権利取りの動きも注目され、3月の戻り高値2440円、さらに1月の高値2580円を目指す可能性もあるだろう。
飲食事業(高級和食・洋食店)を主力として、文化事業(箱根ガラスの森美術館)も展開している。新たな成長ステージに向けた戦略として、商圏1万キロに向けたブランド構築、新業態の定着と新規出店、海外へのブランド発信と海外企業との業務提携、サービス向上のための人材育成、製菓工房「アトリエうかい」の本格稼働、和食店のお土産品強化、物販における販路開拓などを推進している。
14年4月には、国内で4年ぶりの新店となる新業態の割烹料理店「銀座kappou ukai(呼称:割烹うかい)」をオープンした。海外は13年5月に、台湾・高雄市FIHリージェントグループホテル内レストランのコンサルティング契約を締結して海外初出店を決定し、16年オープンに向けて準備を進めている。
8月8日に発表した今期(15年3月期)第1四半期(4月~6月)の業績(非連結)は、売上高が前年同期比0.6%増の30億66百万円、営業利益が同42.3%減の84百万円、経常利益が同60.7%減の51百万円、純利益が同67.1%減の18百万円だった。新店「銀座kappou ukai」開業費の発生などで大幅減益だった。セグメント別売上高は、飲食事業が「アトリエうかい」の製菓販売や新店「銀座kappou ukai」も寄与して同0.8%増の27億95百万円、文化事業が客単価の低下で同1.6%減の2億71百万円だった。
通期の業績(非連結)見通しは前回予想(5月19日公表)を据え置いて売上高が前期比4.4%増の125億55百万円、営業利益が同27.8%増の4億91百万円、経常利益が同30.2%増の4億26百万円、そして純利益が同11.7%減の2億31百万円、配当予想は前期と同額だが期末一括の年間15円としている。純利益は繰越欠損金解消に伴う税金費用増加が影響して減益見込みだが、増収効果で人件費の増加や創業50周年関連の販促広告費を吸収して大幅営業増益見込みだ。
セグメント別売上高(新店含む)の計画は、和食事業が前期比6.1%増の59億20百万円、洋食事業が同2.7%増の53億91百万円、文化事業が同4.0%増の12億44百万円で、既存店売上高は同4.4%増収の計画としている。圏央道相模原愛川IC~高尾山IC間の開通に伴う商圏拡大効果、コースメニュー見直しやアトリエ商品販売による客単価上昇に加えて、4年ぶり新店「銀座kappou ukai」が寄与する。第1四半期は営業減益だったが、通期ベースでは好業績が期待される。
月次売上高(前年比、アトリエうかいの店頭販売含む)を見ると14年7月は全店100.1%、既存店98.4%となり、6月の全店96.9%、既存店95.5%から改善した。客単価は全店102.8%、既存店102.1%となり、いずれも13年3月から17ヶ月連続の前年比プラスだった。高額消費の流れは継続しているようだ。
中長期計画では17年3月期売上高127億53百万円、営業利益6億40百万円を目標値として掲げている。ブランド認知度の向上、商圏の拡大、高額消費の活発化、訪日外国人観光客の増加などを背景とする好調な流れに変化はなく、13年12月に「和食 日本人の伝統的な食文化」がユネスコの世界無形文化遺産に登録されたことも支援材料であり、収益は拡大基調だろう。
なお株主優待制度について、5月19日に実施時期の変更を発表し、従来の毎年3月期末から、毎年9月中間期末に変更した。今期9月中間期末(14年9月末)から実施する。そして8月8日には優待内容の変更を発表した。箱根ガラスの森入場招待券1500円×10枚(1万5000円相当)を廃止し、代わりに100株以上所有株主に対して箱根ガラスの森株主限定食事付入場招待券5枚(1万5000円相当)を贈呈する。その他の優待内容に関しては所有株式数に応じた食事優待券または特選うかい牛肉で変更はない。
株価の動きを見ると、2000円近辺での下値固めが完了して6月24日の2280円まで上伸した。その後は概ね2200円~2250円の小幅レンジでモミ合う展開となった。ただし第1四半期の大幅減益に対する反応は限定的であり、足元では煮詰まり感を強めている。
8月20日の終値2237円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想EPS44円98銭で算出)は50倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間15円で算出)は0.7%近辺、前期実績PBR(前期実績BPS925円47銭で算出)は2.4倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線を突破し、上向きに転じた13週移動平均線が接近している。煮詰まり感を強めてモミ合い上放れのタイミングだろう。9月中間期末の株主優待権利取りの動きも注目され、3月の戻り高値2440円、さらに1月の高値2580円を目指す可能性もあるだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
高級料理店うかい<7621>(JQS)の株価は、2000円近辺での下値固めが完了して6月24日の2280円まで上伸した後、概ね2200円~2250円の小幅レンジでモミ合う展開となった。
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2014-08-21 09:15