巴工業はボックスレンジ上限に接近、上放れのタイミング

  化学機械メーカーの巴工業 <6309> の株価は1700円台を上値フシとするボックス展開だが、7月11日の直近安値1607円から切り返し、8月20日には1730円まで上伸して6月12日の直近高値1738円に接近した。今期(14年10月期)増収増益見通しで低PBRも支援材料であり、煮詰まり感を強めてボックス上放れのタイミングだろう。9月初旬予定の第3四半期累計(11月~7月)業績発表に向けて期待感が高まる可能性もあるだろう。   遠心分離機械を中心とする機械製造販売事業、合成樹脂や化学工業薬品などを中心とする化学工業製品販売事業を2本柱としている。中国ではコンパウンド加工事業も展開し、13年11月には中国の連結子会社・星科工程塑料に対するテクノポリマーおよび日本カラリングの出資持分をすべて譲り受けた。両社との資本・業務提携を解消し、当社主導で収益を立て直す方針だ。   13年12月に策定した中期経営計画「Target2016」では、経営目標値として16年10月期売上高475億円、営業利益25億80百万円、経常利益26億円、純利益16億円、ROE6.3%、ROA4.4%を掲げている。重点戦略としては、北米市場、南米市場、東南アジア市場を中心とする海外売上高の拡大に加えて、機械事業ではエネルギー分野への参入、化学品事業では二次電池やパワー半導体向け商材の開拓に取り組むとしている。   今期(14年10月期)の連結業績見通しは前回予想(13年12月12日公表)を据え置いて、売上高が前期比8.2%増の413億円、営業利益が同27.3%増の19億30百万円、経常利益が同22.0%増の20億50百万円、純利益が同42.7%増の12億円、配当予想が前期と同額の年間45円(第2四半期末22円50銭、期末22円50銭)としている。   セグメント別の計画を見ると、機械製造販売事業は売上高が同18.1%増の110億円、営業利益が同67.0%増の8億80百万円、化学工業製品販売事業は売上高が同5.0%増の303億円、営業利益が同6.3%増の10億50百万円としている。設備投資需要の回復が追い風であり、化学工業製品販売事業での利益率の高い商材の伸長、中国のコンパウンド加工事業の収益改善も寄与する。   第2四半期累計(13年11月~14年4月)は前年同期比3.0%増収、同15.2%営業減益、同4.8%経常減益、同22.6%最終増益で、通期見通しに対する進捗率は売上高が48.3%、営業利益が43.8%、経常利益が50.0%、純利益が64.5%だった。営業利益は機械製造販売事業で採算性の低い案件の売上計上が影響したが、配当収入や負ののれん発生益も寄与して純利益の進捗率は高水準だった。通期利益増額の可能性があるだろう。   株価の動きを見ると、13年10月以降は1700円台を上値フシとするボックス展開だが、下値は着実に切り上げている。足元では7月11日の直近安値1607円から切り返し、8月20日には1730円まで上伸して6月12日の直近高値1738円に接近した。今期増収増益見通しを評価する動きだろう。   8月20日の終値1730円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS120円26銭で算出)は14~15倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間45円で算出)は2.6%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS2340円34銭で算出)は0.7倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線を突破して上伸した。週足チャートで見ると上向きに転じた13週移動平均線がサポートラインとなりそうだ。低PBRも支援材料であり、煮詰まり感を強めてボックス上放れのタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
化学機械メーカーの巴工業<6309>(東1)の株価は1700円台を上値フシとするボックス展開だが、7月11日の直近安値1607円から切り返し、8月20日には1730円まで上伸して6月12日の直近高値1738円に接近した。
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2014-08-21 09:15