DNAチップ研究所は下値固めが完了して強基調に転換の可能性
バイオベンチャーのDNAチップ研究所 <2397> (東マ)の株価は、全般地合い悪化も影響した8月8日の直近安値726円から反発し、8月20日には終値で前日比60円(7.38%)高の873円まで急伸した。下値固めが完了して強基調に転換した可能性があり、6月の927円を突破すれば上げ足に弾みがつきそうだ。中期成長期待に加えて、バイオ関連人気化の流れも支援材料だ。
将来の個人化医療や未病社会の実現を見据えた遺伝子発現プロファイル収集・統計受託解析など、DNAチップ(DNAマイクロアレイ)技術の事業化を目指す研究開発企業である。現在は研究受託事業(大学病院・研究機関や製薬・食品メーカー向けDNAチップ関連の受託実験・解析・統計処理サービスなど)を主力として、商品販売事業も展開している。
時々刻々と変化する体調変化や加齢とともに起こる免疫変化などを遺伝子検査するRNAチェック(血液細胞遺伝子発現マーカー検査)に強みを持ち、中期成長に向けて次世代シークエンス受託解析サービスなど研究受託のメニューを充実させるとともに、RNAチェックによる遺伝子解析検査サービス、独自開発パッケージソフトウェアによる診断支援サービス、健康モニタリングサービスなどの診断関連事業を収益柱に育成する方針だ。
臨床研究用データベース「iCIS」構築による診断支援サービス、高校・大学生がDNAチップ解析を体験できる教育用DNAチップ教材「ハイブリ先生」、関節リウマチのスムーズな診察をサポートする問診パッケージソフト「iRIS」、「リウマチェック(関節リウマチの薬剤効果予測検査)」の多剤効果予測、乳癌の再発リスクを予測する乳癌予後予測キット「MammaPrint」(導入商品)などの拡販を強化し、さらに免疫年齢診断サービスの拡充、血中DNA変異測定サービス(肺がん患者を対象とした組織由来DNA変異検出)開始に向けた準備も進めている。
戦略商品に関しては大病院での人間ドックへの採用を働きかけ、中長期的には一般健康診断への採用拡大も目指す方針だ。さらに大腸がん・悪性神経膠腫の術後予後予測、免疫年齢・肥満・うつ病・疲労・アルツハイマーなどの診断関連マーカーの開発・事業化、医薬品開発と一体化した診断マーカー開発(コンパニオン診断薬開発支援)、再生医療支援事業(培養細胞の安全性評価系)なども強化して業容を拡大する。14年3月には「神経膠腫予後予測方法、およびそれに用いるキット」に関する国内特許を取得した。
今期(15年3月期)の業績(非連結)見通しについては、前回予想(4月24日公表)を据え置いて売上高が前期比26.1%増の4億40百万円、営業利益が2百万円(前期は44百万円の赤字)、経常利益が2百万円(同44百万円の赤字)、純利益が1百万円(同45百万円の赤字)としている。第1四半期(4月~6月)は減収となって営業赤字が拡大したが、受注は順調な模様であり、通期ベースで営業黒字化を目指す。
今期は研究受託事業でのマイクロアレイ受託解析サービス、次世代シークエンス受託解析サービス、診断支援および関連ビジネスの拡大に注力する。増収効果に加えて、受託解析や診断事業の売上構成比上昇、採算性の高いメニューの重点拡販、作業効率の改善などで粗利益率が上昇する見込みだ。
さらに中期的な業績改善推進プランとして「研究開発から事業化への加速」を掲げ、提案型研究受託メニューの強化(マイクロアレイ解析と新規受託サービス)、診断関連事業の拡充(リウマチ多剤効果判定、臨床研究用データベース「iCIS」、診断マーカー、RNAチェックなど)、販売促進のためのアライアンス強化、海外展開(米国の大学との共同研究)などを推進する方針だ。
株価の動き(14年8月1日付で東証2部市場に市場変更)を見ると、5月の年初来安値680円から6月の927円まで切り返したが、その後は800円~850円近辺でモミ合う展開だ。ただし全般地合い悪化も影響した8月8日の直近安値726円から反発し、8月20日には877円まで急伸する場面があった。中期成長期待に加えて、バイオ関連が人気化する流れにも乗ったようだ。
8月20日の終値は前日比60円(7.38%)高の873円だった。日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると26週移動平均線を一気に突破した。下値固めが完了して強基調に転換した可能性があり、6月の927円を突破すれば上げ足に弾みがつきそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
バイオベンチャーのDNAチップ研究所<2397>(東マ)の株価は、全般地合い悪化も影響した8月8日の直近安値726円から反発し、8月20日には終値で前日比60円(7.38%)高の873円まで急伸した。
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2014-08-21 09:15