新幹線と中国高速鉄道、世界戦略は「両国に利益」=中国メディア

中国メディアの時代在線は21日、中国が自国における高速鉄道事業の成功を世界中に広めようとしていると伝え、新幹線の輸出を狙う日本と激しい競争を繰り広げていると論じた。
記事は、「日本の製造業はテレビや冷蔵庫といった分野では影が薄くなった」とする一方、「高速鉄道技術においては世界屈指の技術力を持つ」、「日本の技術力を軽視できる人などいない」などと報じ、日本政府関係者や企業関係者がインドや欧米、東南アジア諸国で新幹線の売り込みを行っていると紹介した。
一方で、中国はすでにアフリカやトルコ、マケドニアなどで高速鉄道建設を受注しており、高速鉄道の輸出において中国が日本に先行している状況であることを紹介。こうした現状について、記事は「日本は中国に追いつくべく、官民一体になっての取り組みを開始した」とし、日本が「国際高速鉄道協会(IHRA)」を立ち上げたことを伝えた。さらに、日本は自らが提唱する規格を国際標準とすることを目指しつつ、欧州や東南アジア、ブラジル、オーストラリアなどの高速鉄道プロジェクトの受注を狙っていると紹介した。
世界中で繰り広げられている日本と中国の高速鉄道をめぐる競争に対し、記事は中国のエコノミストである白益民氏が「日中は真正面からぶつかり合っているわけではない」との見方を示したことを伝え、中国が主に受注しているのは「レール敷設などの建設分野」であり、日本が強みを持つのは車両を含めた高速鉄道システムであると論じたことを紹介。さらに、英国の高速鉄道プロジェクトにおいて中国が受注する見通しであるのはやはり建設分野だと紹介、車両については日本が受注する可能性が高いと指摘した。
さらに、中国の高速鉄道のコア技術は日本や欧州の技術を採用していることのほか、日本企業は中国や台湾の企業を下請けとしている構造であることなどを挙げたうえで、日中双方は高速鉄道の一部分野においては補完関係にあると指摘、「世界の高速鉄道プロジェクトにおいては、日中のいずれが受注することになっても日中の両国が利益を得られる状況にある」と伝えた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C)Ping Han/123RF.COM)
米タイム誌の中国語版は21日、中国が自国で収めた高速鉄道事業の成功を世界中に広めようとしていると伝え、新幹線の輸出を狙う日本と激しい競争を繰り広げていると論じた。(イメージ写真提供:(C)Ping Han/123RF.COM)
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2014-08-21 11:45