災害意識していても「水の備蓄量」は不十分=キリンビバレッジ調査

 キリンビバレッジ(本社・東京都中野区)は20日、7月に実施した「震災時の備えと水分補給に関する調査」の結果を発表した。30-49歳の、小学生の子を持つ母親800人に尋ねたところ、全体の半数以上が普段から自然災害を意識しており、1世帯平均2リットル入りペットボトル5.22本を備蓄していることが分かった。災害を意識していない人の約2倍だが、1人当たり3日間に必要な本数が同5本であることから、まだ十分とは言えないようだ。  「普段から自然災害を意識している」と回答した人は、全体の50.2%だった。「災害を意識している」人は、1世帯平均で2リットル入りペットボトルのミネラルウオーター5.22本を備蓄していることが分かった。「意識していない」人の2.32本の約2倍だった。  深刻な災害では断水が発生し、給水車が到着するまで3日間程度が経過することもありえる。1人当たり3日間に必要な本数は同5本で、家族4人ならば20本だ。災害を意識している人でも水の備蓄量はまだ十分とは言えないようだ。  最も意識している自然災害の種類を尋ねたところ、「地震」が67.5%で最も多く、続いて「台風」が17.2%だった。「過去1年で自分が住んでいる地域で、自然災害が増えたと思いますか」と尋ねたところ、最も多いのは「変わらない」(61.8%)だった。しかし、「とても増えたと思う」は9.0%、「少し増えたと思う」は26.3%で、回答者の3割以上は災害が増えたと実感している。逆に「とても減ったと思う」、「少し減ったと思う」は合計で3.0%と、わずかにとどまった。  「断水」の原因というと「地震による施設破壊」が思い浮かびやすいが、災害危機管理アドバイザーの和田隆昌さんによると、それ以外の災害でも水道の供給が止まる場合は多い。例えば、台風や豪雨では水道設備の破損、取水地への土砂流入、豪雪では物流停止や水道管・設備の破損、干害や異常高温では取水制限、以上低温では水道管凍結などが発生する可能性がある。  また、自然災害でなくても水道施設がある地域で停電が発生すれば、ポンプの停止で送水はストップする。調査では、「地震以外の自然災害により水が手に入らなくなった経験がある」と回答した人は8.4%にのぼった。災害に限らず、何らかの理由で水道が止まった経験のある人は39.4%で、平均時間は21.1時間だった。  回答者全員で、水の備蓄量は1世帯当たり3.77本だった。備蓄しない理由は「消費期限の管理が難しい」(31.5%)、「継続が面倒」(28.2%)、「費用がかかる」(24.8%)だった。  キリンビバレッジは2011年から毎年、「震災時の備えと水分補給に関する調査」を実施している。期限切れにしてしまったことがある食品の種類を聞いているが、「第1位は水」という状態が続いている。  同社は、有事の際でも最低限の水分を確保できるよう、日ごろから無理なく無駄なく備蓄品を管理する「スマートストック」を提唱・推進しているが、まずは「家族に必要な備蓄量を知る」ことが大切だという。必要な量を購入したら、キッチンや食料庫に近い、使いやすい場所に収納のするのがコツで、その後は「備蓄品を使う曜日」を決めるなどで、定期的に備蓄品を使うことが、消費期限切れを防ぐのに有効という。  同社は「キリン アルカリイオンの水」の公式サイトに、各世帯にとっての適切な備蓄量や、非常時にはどの程度の水や食料をチェックできる「スマートストックチェッカー」を設置。さらにスーパーなどの店舗で関連POPを展開するなどで、消費者の方に「スマートストック」の大切さを訴える活動を続けている。(編集担当:中山基夫)
キリンビバレッジ(本社・東京都中野区)は20日、7月に実施した「震災時の備えと水分補給に関する調査」の結果を発表した。30-49歳の、小学生の子を持つ母親800人に尋ねたところ、全体の半数以上が普段から自然災害を意識しており、1世帯平均2リットル入りペットボトル5.22本を備蓄していることが分かった。
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2014-08-21 16:30