インテリジェントウェイブは下値を切り上げながら再動意の構え

  システムソリューション事業のインテリジェントウェイブ <4847> (JQS)の株価は、2月~5月の安値圏250円近辺で下値固めが完了して反発し、7月10日に戻り高値となる334円まで急伸する場面があった。その後は反落して280円~300円近辺で推移しているが、下値を切り上げながら再動意の構えを見せている。今期(15年6月期)の収益改善を評価して7月の戻り高値334円、1月の年初来高値344円を目指す展開だろう。   大日本印刷 <7912> の連結子会社で、システムソリューション事業を展開している。クレジットカード会社、ネット銀行、証券会社など金融関連のシステム開発受託・ハードウェア販売・保守サービスが収益柱だ。   今期(15年6月期)から報告セグメントを変更した。金融システムソリューション事業(従来のカードビジネスのフロント業務とシステムソリューション業務)では金融業界やシステム開発会社向けのソフトウェア開発を中心としたソリューションを提供し、プロダクトソリューション事業(従来のセキュリティシステム業務とその他)ではパッケージ製品を中心にソリューションを提供している。   中期的には、マイナンバー制度導入に伴う金融関連の開発案件受注増加が期待され、カードビジネスのフロント業務関連から精算システムなどの基幹業務関連への事業領域拡大、ビッグデータ関連への参入などを目指している。14年2月にはジーフィー(GIFI)と個人投資家向け次世代オンライントレードシステム分野で業務提携した。   新規事業では、自社開発コミュニケーションツール「Face(フェイス)コンシェル」の販売を強化している。口語解析技術を駆使したコンシェルジュ(画面上の人物画)が簡単な質問に自動応答するシステムである。企業のウェブサイトの満足度を高めるツールとして、全日本空輸のウェブサイト「よくある質問」ページにQ&AナビゲーターAmy(エイミー)として導入されている。   8月6日に発表した前期(14年6月期)の連結業績(4月23日に売上高を増額、利益を減額修正)は売上高が前々期比11.7%増の65億58百万円、営業利益が1億45百万円(前々期は6億77百万円の赤字)、経常利益が1億83百万円(同5億87百万円の赤字)、純利益が86百万円(同3億49百万円の赤字)だった。カードビジネスのフロント業務における不採算プロジェクトが収束して営業損益が大幅に改善した。配当予想は14年1月1日付の株式100分割を考慮すると実質的に前々期と同額の年間5円(期末一括)とした。   セグメント別動向を見ると、主力のカードビジネスのフロント業務は売上高が同27.4%増の40億79百万円、営業利益(全社費用等調整前)が7億40百万円(前々期は2億42百万円の赤字)だった。不採算プロジェクトが第1四半期(7月~9月)で収束し、第2四半期(10月~12月)以降は順調に推移したようだ。   システムソリューション業務は売上高が同4.8%減の19億46百万円、営業利益が同23.3%増の3億18百万円だった。開発プロジェクトが順調に推移して営業損益が改善した。セキュリティシステム業務は複数の商談が受注に至らず売上高が同17.6%減の4億17百万円、営業利益が48百万円の赤字(同1億37百万円の利益)だった。その他(新規事業)は売上高が同3.4%減の1億14百万円、営業利益が1億51百万円の赤字(同1億18百万円の赤字)だった。商談進捗遅れが影響したようだ。   今期(15年6月期)の連結業績見通しは売上高が前期比2.4%減の64億円、営業利益が同2.6倍の3億80百万円、経常利益が同2.2倍の4億円、純利益が同2.9倍の2億50百万円、配当予想が前期と同額の年間5円(期末一括)としている。   セグメント別の計画(今期から報告セグメントを変更)は、金融システムソリューション事業は売上高が同5.4%減の57億円、営業利益(全社費用等調整前)が同19.0%増の12億60百万円、プロダクトソリューション事業は売上高が同31.6%増の7億円、営業利益が1億円の赤字(前期は2億円の赤字)としている。   金融システムソリューション事業は、ハードウェア販売が前期高水準だった反動で減収だが、ソフトウェア開発がカード系を中心に堅調に推移し、前期第1四半期まで残った不採算プロジェクトの影響一巡も寄与する。プロダクトソリューション事業は、大日本印刷との連携強化で「Face(フェイス)コンシェル」関連の拡販を見込み、セキュリティ関連の保守も堅調に推移する見込みだ。   クレジットカード・金融業界では、システム・ハードウェア更新投資に加えて、ブランドプリペイドカードやモバイル端末決済など、新たな決済サービス提供に向けたIT投資が高水準に推移する見込みだ。不採算プロジェクトの一巡、新規事業の拡販なども寄与して一段の収益改善が期待されるだろう。   株価の動き(14年1月1日付で株式100分割)を見ると、2月~5月の安値圏250円近辺で下値固めが完了して反発し、7月10日に戻り高値となる334円まで急伸する場面があった。その後は反落して280円~300円近辺で推移しているが、下値を切り上げながら再動意の構えを見せている。今期の収益改善を評価する動きだろう。   8月21日の終値302円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS9円49銭で算出)は32倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間5円で算出)は1.7%近辺、前期実績PBR(前期実績連結BPS169円00銭で算出)は1.8倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって下値を切り上げている。収益改善基調を評価して7月の戻り高値334円、そして1月の年初来高値344円を目指す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
システムソリューション事業のインテリジェントウェイブ<4847>(JQS)の株価は、2月~5月の安値圏250円近辺で下値固めが完了して反発し、7月10日に戻り高値となる334円まで急伸する場面があった。
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2014-08-22 09:00