トレジャー・ファクトリーは自律調整一巡して再動意のタイミング
リサイクルショップ運営のトレジャー・ファクトリー <3093> (東マ)の株価は、株式分割発表も好感して急伸した7月18日高値3680円から利益確定売りで一旦反落し、8月7日と8日の2900円まで調整した。しかし足元では3200円近辺まで切り返している。中期成長力を評価する流れに変化はなく、過熱感を冷ますための自律調整が一巡して再動意のタイミングだろう。上値追いの展開となりそうだ。
首都圏を中心に総合リユースショップ(総合業態)や服飾専門リユースショップ(服飾業態)などを直営とFCで展開している。前期(14年2月期)末の店舗数は、直営総合業態47店舗、直営服飾業態21店舗、新業態の古着アウトレット1店舗、FC総合業態4店舗の合計73店舗である。
関西圏への新規出店も加速させる方針で、13年5月総合業態の関西1号店・神戸新長田店、13年10月服飾業態の関西1号店・尼崎店、14年3月関西3号店で大阪府初出店となる総合業態・岸和田店をオープンした。そして14年7月には関西4号店となる総合業態・八尾店をオープンした。ネット通販も強化するため13年4月に楽天市場へ出店している。
新規事業では10年10月からブランドバッグ&ファッションのオンラインレンタルサービス「Cariru」を運営している。14年7月には「Cariru」でマタニティドレスのレンタルサービスも開始した。また7月30日には、新業態としてスポーツ・アウトドア用品専門リユースショップ「トレファクスポーツ」の1号店となる青葉台店(神奈川県横浜市)を9月6日にオープンすると発表している。
今期(15年2月期)の業績(非連結)見通しは、前回予想(4月11日公表)を据え置いて売上高が前期比10.8%増の101億11百万円、営業利益が同4.3%増の7億40百万円、経常利益が同3.1%増の7億53百万円、純利益が同4.5%増の4億36百万円としている。テレビCM効果による知名度上昇、新規出店、一般買取強化による商品仕入増加、ネット経由の買取・販売強化、13年6月の物流センター拡張移転による店舗への在庫供給力向上などで増収増益見通しだ。
7月11日には第2四半期累計(3月~8月)の業績見通しを増額修正したが、通期見通しは消費増税の影響や新規出店費用などを考慮して据え置いた。ただし第1四半期(3月~5月)が前年同期比17.0%増収、51.5%営業増益、51.4%経常増益、50.6%最終増益の大幅増収増益となり、通期見通しに対する進捗率は売上高が25.5%、営業利益が47.4%、経常利益が47.4%、純利益が46.6%に達している。通期業績見通しも増額が濃厚だろう。
月次売上(直営店の店舗売上、前年比速報値)を見ると、14年7月は全店が114.3%、既存店が106.3%だった。衣料・服飾雑貨、そして販売単価の高い生活家電・家具が引き続き好調に推移した。既存店は5ヶ月連続の前年比プラスであり、消費増税の影響は見られない。7月の新規出店は1店舗で、14年7月末時点の店舗数は76店舗となった。
リユース市場は拡大基調であり、中期成長に向けて直営店舗網の拡大や業態の多様化を加速させる方針だ。首都圏や関西圏を中心に年間10店舗程度の新規出店による多店舗展開で100店舗体制を当面の目標としている。既存店の収益力強化策や新業態・新規事業の積極展開も寄与して中期的に収益拡大基調だろう。
なお7月11日に株式分割を発表している。14年8月31日を基準日(効力発生日14年9月1日)として1株を2株に分割する。株式分割に伴って今期の配当予想を前回の年間22円(期末一括)から年間11円(期末一括)に修正したが実質的に変更はない。
株価の動きを見ると、株式分割の発表も好感する形で急伸した7月18日高値3680円から利益確定売りで一旦反落し、8月7日と8日の2900円まで調整したが、足元では3200円近辺まで切り返している。過熱感を冷ますための自律調整がほぼ一巡したようだ。
8月21日の終値3170円を指標面(株式2分割前)で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS157円03銭で算出)は20倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間22円で算出)は0.7%近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS876円73銭で算出)は3.6倍近辺である。日足チャートで見ると一旦割り込んだ25日移動平均線を素早く回復した。また週足チャートで見るとサポートラインの13週移動平均線が接近して反発の動きを強めている。中期成長力を評価する流れに変化はなく、自律調整が一巡して再動意のタイミングだろう。上値追いの展開となりそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
リサイクルショップ運営のトレジャー・ファクトリー<3093>(東マ)の株価は、株式分割発表も好感して急伸した7月18日高値3680円から利益確定売りで一旦反落し、8月7日と8日の2900円まで調整した。
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2014-08-22 09:00