【為替本日の注目点】米株高で再びドル高も104円届かず、FRB利上げには慎重か
NY市場
ドル円は東京市場で103円96銭まで上昇し、104円も視野に入ってきたが、海外市場ではドルの上値が重く103円台半ばまで下落。その後は好調な経済指標と株高に反応し103円台後半まで値を戻して引ける。
ユーロドルは反発。イエレン議長の講演を控えていることと、ウクライナでの緊張がやや後退したとの見方から、ユーロドルは1.32台半ばから後半まで上昇。
株式市場は4日続伸。ファンダメンタルズの改善が続いており株価を押し上げた。ダウは60ドル上昇し1万7000ドルの大台を回復。S&P500は最高値を更新。
債券相場は4日振りに反発。イエレン議長の講演は「ハト派的」な内容に落ち着くとの見立てが優勢となり、長期金利はやや低下。
金は5日続落し、原油は限月変わりもあり反発。
新規失業保険申請件数 → 29.8万件
7月中古住宅販売件数 → 515万件
8月フィラデルフィア連銀景況指数 → 28.0
ドル/円 103.60~ 103.87
ユーロ/ドル 1.3256 ~ 1.3288
ユーロ/円 137.56 ~ 137.93
NYダウ +60.36 → 17,039.49ドル
GOLD -19.80 → 1,275.40ドル
WTI -2.11 → 93.96ドル
米10年国債 -0.020 → 2.408%
本日の注目イベント
米 イエレン・FRB議長講演(ジャクソンホール)
欧 ドラギ・ECB総裁講演(ジャクソンホール)
加 カナダ7月消費者物価指数
加 カナダ7月小売売上高
昨日の東京市場でもドル円の上昇は止まらず、一時103円96銭までドル高円安が進み、「104円台」も視野に入ったかと思われましたが、直後に発表された中国の製造業PMIが市場予想を下回ったことで上昇を止められた格好になりました。NY市場では米国の長期金利が低下したことを手がかりにドル売りが優勢となる場面もありましたが、失業保険申請件数など経済指標が良好だったことから再び103円80-85銭辺りまでドル高に振れています
今回のドル反発局面は、「これまでの動きとは違うのでは」との見方も徐々に増えており、市場は円売りに傾いているように見受けられます。その見方が正しい可能性は十分あります。これまでは104円台でも、103円台でも、大台での滞空時間が極めて短く、すぐに押し戻される展開でした。今回は、8日の金曜日にNY市場で102円台に乗せてから、先週は一度も102円を割り込むことはありませんでした。
103円台でも同様に、20日に東京時間で103円台に乗せて以来103円を割り込むどころか、104円を伺う展開が続いてます。この様な流れを見る限り、「これまでとは違う」という印象を持つのも当然です。ただ、それでも気になるのは米金利の低位安定です。
ドル円が4月に104円台まで上昇した時の米長期金利は、おおよそ2.8%でした。現在の水準より0.4%ほど低いことになります。もちろん、「104円=2.8%」とういう数式を描けるわけではありませんが、長い目で見るとドル円と米長期金利には非常に強い相関関係があるのも事実です。とすると、今後考えられる事は、「ドル円が長期金利に引っ張られ下落する」か、あるいは「長期金利がドル円に引っ張られ上昇する」か、どちらかということになります。今後も両者の関係には十分注意が必要です。
今夜は注目のイエレン議長の講演です。昨日のNY市場は、株高と債券高で取引を終えています。市場関係者の多くが「ハト派的な内容になる」と見ていることになります。前日公表されたFOMC議事録では、利上げ前倒しを視野に入れた議論がなされたことが明らかになりました。その内容を踏まえて、イエレン議長がどのような内容の講演を行うか注目されます。個人的には「ハト派の代表格」である同議長は、やはり利上げには慎重な姿勢をみせるのではないかと予想しています。本日のレンジは103円50銭~104円30銭程度を予想します。
IMFが調べた、世界の国・地域の通貨制度が面白い傾向を示しています。世界191の国や市域で、日米のような「変動相場制」を採用しているところは65カ国・地域で、その割合は34%でした。最も多かったのが中国などが採用している「管理変動相場制」で、82カ国・地域で35%です。中国以外は主に小さな国や地域が採用しているようですが、これは「変動相場制」では投機的な資金の動きに翻弄されてしまい、実態からかけ離れた為替レートになってしまうことが一因のようです。こんなところにも「緩和政策」の影響がでているようです。良い週末を・・・・・。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は東京市場で103円96銭まで上昇し、104円も視野に入ってきたが、海外市場ではドルの上値が重く103円台半ばまで下落。その後は好調な経済指標と株高に反応し103円台後半まで値を戻して引ける。
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2014-08-22 09:15