中国の製造業 「世界の工場」に陰りか=中国メディア

中国メディアの中国日報網は23日、金融大手の香港HSBCが発表した8月の中国製造業購買担当者指数(PMI)速報値が50.3と5月以来最低の数字に落ち込んだことについて、「中国は世界の工場としての地位を失う恐れがある」との声があがっていると伝えた。
記事は、米国営放送のボイス・オブ・アメリカ(VOA)が「中国の8月のPMI速報値がアナリストの予想中央値51.5を下回り、7月の51.7すら下回った」と報じたことを紹介。さらに、一部のエコノミストからは「中国の人件費が急速に上昇するにつれ、中国の製造業は労働集約型を中心に優位性を失いつつある」との声があがっていると報じた。
米議会調査局の統計によれば、2000年から13年まで中国の人件費は年平均11.4%ずつ上昇し、すでにベトナムの人件費に比べて2.68倍も高い水準にある。中国の人件費が上昇するにつれ、中国でモノを作る魅力も失われつつあり、大手スポーツメーカーも中国での生産から徐々にベトナムでの生産にシフトしつつあるという。
また記事は、オーストラリアのメディアの報道として、中国沿海部の人件費が高い地域から比較的人件費の安い中西部に移転しても「無駄だ」とし、中国の人件費の地域差も徐々に縮小しつつあり、すでに沿海部と中国西部の差は5%から6%ほどしかないと指摘。「中国西部への工場移転によって享受できるコスト優位は1-2年で失われる」と論じた。
さらに、中国の12年時点における製造業の人件費はベトナムやインドネシアの2-3倍、カンボジアの5-6倍になったとし、「外国企業だけでなく、中国企業ですら安価な労働力を求めて海外に工場を移転している」と指摘。また、製造業が中国から他国へ移転することは中国政府にとって大きな試練になるとの見方を示す一方、「中国経済を輸出主導型から内需主導型に転換するためのチャンスでもある」と論じた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
中国メディアの中国日報網は23日、香港HSBCが発表した8月の中国製造業購買担当者指数(PMI)速報値が50.3と5月以来最低の数字に落ち込んだことについて、「中国は世界の工場としての地位を失う恐れがある」との声があがっていると伝えた。(イメージ写真提供:123RF)
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2014-08-24 12:00