日本アジアグループは直近安値から急反発、営業損益改善を評価して出直り本格化
社会インフラ関連やメガソーラー関連の日本アジアグループ <3751> (東マ)の株価は、全般地合い悪化も影響した8月8日の直近安値450円から急反発し、8月22日には550円台まで戻している。強基調に転換した形であり、第1四半期(4月~6月)の営業損益改善を評価して出直りの動きが本格化しそうだ。
インフラ・環境・エネルギー関連にグループ経営資源を集中し、空間情報コンサルティング事業(国際航業の防災・減災・社会インフラ関連事業)、グリーンプロパティ事業(土壌・地下水保全コンサルティング、戸建住宅・不動産関連、太陽光発電施設の設計施工など)、グリーンエネルギー事業(欧州と国内での太陽光発電所開発・運営・売電事業)、ファイナンシャルサービス事業(日本アジア証券などの証券業)を展開している。
震災復興・防災・減災・社会インフラ更新関連、メガソーラー関連、環境・エネルギー関連などテーマ性は多彩である。傘下の国際航業は上下水道分野で13年6月にメタウォーター、13年11月に水道機工 <6403> と業務提携し、14年2月にはAMEC Asiaと業務提携して除染業務における放射線計測技術を強化した。
国内メガソーラー開発・運営の動きも加速している。14年7月には埼玉県行田市「行田ソーラーウェイ」の建設を開始し、宮城県・名取市「名取ソーラーウェイ(仮称)」の事業実施協定を締結した。また神奈川県・足柄大井ソーラーウェイ、茨城県・浦ケ山ソーラーウェイ、兵庫県・姫路ソーラーウェイの3件について、証券化スキームにより総額約44億円の資金を調達した。証券化スキームによる資金調達は今回で3回目となり、対象となるメガソーラーは合計7件となった。
8月12日に発表した今期(15年3月期)第1四半期(4月~6月)の連結業績は、売上高が前年同期比0.5%減の124億60百万円、営業利益が1億45百万円(前年同期は4億11百万円の赤字)、経常利益が2億90百万円の赤字(同5億02百万円の赤字)、純利益が3億44百万円の赤字(同4億08百万円の赤字)だった。
空間情報コンサルティング事業およびグリーンプロパティ事業の売上と利益が第4四半期(1月~3月)に偏重するため、第1四半期は営業赤字となりやすい収益構造だが、今期は空間情報コンサルティング事業の稼働効率化などが寄与して営業損益が想定以上に改善し、第1四半期として初の営業黒字を達成した。また経常利益と純利益は、営業外での為替差損益の拡大や特別利益での関係会社株式売却益の一巡などで赤字だったが、営業損益が大幅に改善した効果で、経常利益と純利益の赤字幅は前年同期に比べて縮小した。
セグメント別に営業損益の前年同期比増減を見ると、空間情報コンサルティング事業は原価削減徹底などで赤字幅が5億35百万円縮小した。グリーンプロパティ事業は戸建て住宅事業や太陽光関連事業の進展などで1億59百万円改善して黒字化した。グリーンエネルギー事業は国内メガソーラーの稼働が進展して黒字幅が1億44百万円増加した。ファイナンシャルサービス事業は前年同期の市場活況の反動で3億37百万円減少したが、商品戦略が奏功して減益率は業界平均を大幅に下回った。
通期の連結業績見通しは前回予想(5月13日公表)を据え置いて売上高が前期比0.9%増の750億円、営業利益が同6.2%減の42億円、経常利益が同33.8%減の25億円、そして純利益が同0.3%減の25億円としている。
グリーンプロパティ事業では戸建て住宅分野が消費増税の反動影響を受け、ファイナンシャルサービス事業では国内外の株式市場の鎮静化を想定しているため、全体の売上高は前期比横ばい、営業利益は微減益、そして経常利益は営業外収益での為替差益を見込まず大幅減益見通しとしている。純利益は連結納税制度に伴って税負担が軽減するため前期並みを確保する見通しだ。また大型投資に向けた資金調達を行うため資産売却予定としている。
ただし空間情報コンサルティング事業は公共投資の増加を追い風として受注残高が高水準であり、業務効率化も順調に進展している。またグリーンエネルギー事業は、国内メガソーラーの竣工・稼働が進展して通期営業黒字化の見通しだ。中期的にも事業環境は良好だ。
中期経営計画では、重点戦略を主要会社の収益体質強化、エネルギー関連事業の領域拡大などとして、目標数値に17年3月期売上高866億円、営業利益73億円、経常利益48億円、純利益36億円を掲げている。営業利益の内訳は、空間情報コンサルティング事業が16億円(14年3月期は11億71百万円)、グリーンプロパティ事業が14億円(同8億47百万円)、グリーンエネルギー事業が18億円(同2億08百万円の赤字)、ファイナンシャルサービス事業が26億円(同31億07百万円)としている。また16年3月期に初配当を目指すとしている。
株価の動きを見ると、5月安値435円から6月12日の596円まで一旦切り返したが、その後は上値が重く概ね500円近辺で推移し、全般地合い悪化も影響して8月8日に450円まで調整する場面があった。ただし5月安値を割り込むことなく急反発し、8月22日には550円台まで戻している。第1四半期の営業損益改善を評価して短期調整が一巡したようだ。
8月22日の終値555円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS95円58銭で算出)は5~6倍近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS823円96銭で算出)は0.7倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると26移動平均線を一気に突破した。強基調に転換して出直りの動きが本格化しそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
社会インフラ関連やメガソーラー関連の日本アジアグループ<3751>(東マ)の株価は、全般地合い悪化も影響した8月8日の直近安値450円から急反発し、8月22日には550円台まで戻している。
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2014-08-25 09:15