エスプールは短期調整が一巡して強基調に転換、7月の戻り高値試す
人材サービスのエスプール <2471> (JQS)の株価は、第2四半期累計(12月~5月)業績を好感して急伸した7月4日の戻り高値1260円から利益確定売りで反落し、全般地合い悪化も影響して8月8日には731円まで調整した。しかしその後は反発の動きとなり、8月22日には900円台を回復した。短期調整が一巡して強基調に転換した形であり、今期業績増額の可能性を再評価して7月の戻り高値を試す展開だろう。
アウトソーシング関連のビジネスソリューション事業(ロジスティクスアウトソーシングサービス、フィールドマーケティング、障がい者雇用支援サービスなど)、人材派遣関連の人材ソリューション事業(コールセンター業務、携帯電話・スマートフォン販売支援業務、オフィスサポートなど)、およびマーチャンダイジングサービス事業などを展開している。なお除染業務は受注単価が下落しているため14年3月末で撤退した。
ビジネスソリューション事業のロジスティクスアウトソーシングサービスはネット通販市場の拡大が追い風であり、ECサイト出店企業などの物流センター運営・発送代行で新規顧客獲得を推進している。
障がい者雇用支援サービスは障害者雇用促進法に基づいて大企業の障がい者雇用をサポートするもので、企業向け賃貸農園「わーくはぴねす農園」の栽培設備販売収入と農園運営管理収入を収益柱としている。千葉県市原市「わーくはぴねす農園 市原ファーム」では23社の企業がサービスを利用している。高付加価値サービスとして千葉県を中心に事業規模を拡大する方針で、14年6月には千葉県長南町「わーくはぴねす農園 茂原ファーム」を新設した。
人材ソリューション事業ではコンビニエンスストア向けストアスタッフサービスを強化する。ファミリーマート <8028> のFC店舗向けに人材提供を一括で行う「人材サポートセンター」を設立することでファミリーマートと合意した。コールセンター業務、携帯電話・スマートフォン販売支援業務に続く収益柱に育成する方針だ。
今期(14年11月期)の連結業績見通しは前回予想(1月15日公表)を据え置いて売上高が前期比11.8%増の60億円、営業利益が同2.3倍の1億50百万円、経常利益が同2.8倍の1億37百万円、純利益が同2.6倍の1億17百万円としている。
ロジスティクスアウトソーシングサービスにおける新規顧客獲得、つくばECセンターの本格稼動と生産性改善、障がい者雇用支援サービスにおける第2農園(茂原ファーム)開設、フィールドマーケティングの黒字化、国家プロジェクトとなるスマートメーター関連業務の拡大、人材ソリューション事業におけるコールセンター業務や携帯電話・スマートフォン販売支援業務の好調、受注単価の上昇などが寄与する。人件費増加などを吸収して大幅増収増益見通しだ。
事業拡大に向けた先行投資負担を考慮して通期会社見通しを据え置いたが、第2四半期累計(12月~5月)は前年同期比24.5%増収、同2.1倍営業増益、同2.2倍経常増益、同2.3倍最終増益の大幅増収増益となり、通期見通しに対する進捗率は売上高が54.0%、営業利益が81.6%、経常利益が86.2%、純利益が85.2%と高水準である。通期増額の可能性が高いだろう。
中期経営計画では目標値として16年11月期売上高100億円、営業利益5億円を掲げている。成長分野での積極的な拡大戦略を推進する方針であり、高付加価値サービスの拡大が牽引して中期的に収益拡大基調が期待される。
株価の動きを見ると、第2四半期累計業績を好感して急伸した7月4日の戻り高値1260円から利益確定売りで反落した。そして8月8日には全般地合い悪化も影響して731円まで調整し、5月安値725円に接近する場面があった。しかしその後は反発の動きとなり、8月22日には900円台を回復した。短期調整が一巡して好業績を再評価する動きだろう。
8月22日の終値900円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS42円77銭で算出)は21倍近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS72円70銭で算出)は12倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると26週移動平均線を突破した。短期調整が一巡して強基調に転換した形であり、今期業績増額の可能性を再評価して7月の戻り高値1260円を試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
人材サービスのエスプール<2471>(JQS)の株価は、第2四半期累計(12月~5月)業績を好感して急伸した7月4日の戻り高値1260円から利益確定売りで反落し、全般地合い悪化も影響して8月8日には731円まで調整した。
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2014-08-25 09:15