アートスパークHDは自動運転車ベンチャーZMPの上場観測報道を材料視して急伸、旬のテーマで人気持続の可能性

  グラフィクス制作支援や電子書籍関連のアートスパークホールディングス <3663> (東2)の株価は、8月25日にストップ高水準の519円まで急伸した。自動運転車ベンチャーのZMPが15年をめどに東証マザーズに株式上場方針との日経報道を受けて、当社が従来からZMPとロボット制御用ユーザー・インターフェースなどの共同開発に取り組み、13年12月にZMPが実施した第三者割当増資の一部を引き受けていることを材料視したようだ。旬のテーマであり人気持続の可能性があるだろう。   グラフィクス技術のセルシスとエイチアイが12年4月に統合した持株会社で、電子書籍ビューア「BS Reader」やグラフィクスソリューションなどのコンテンツソリューション事業、グラフィクスコンテンツ制作支援ツールなどのクリエイターサポート事業、3Dグラフィックス描画エンジンなどのUI/UX事業を展開している。アプリケーション事業は前期(13年12月期)から戦略的に事業縮小を進めている。   電子書籍ビューア「BS Reader for Browser」は、インフォコム <4348> グループのアムタスの電子書籍配信サービス「ekubostore」や、ソフトバンクモバイルが提供するスマートフォン向け総合電子書籍サービス「スマートブックストア」などに採用されている。利用されている電子書籍配信サービス数は14年6月末時点で800サービス超となった。   クリエイターサポート事業では、マンガ制作ソフト「ComicStudio」が01年の販売開始から世界累計出荷本数が160万本を超えている。マンガ・イラスト制作ソフト「CLIP STUDIO PAINT」の出荷本数は14年3月に40万本を超えた。クリエイターの創作活動を支援するサイト「CLIP」では14年6月末時点の登録者数が41万人となった。   戦略分野に対して積極投資を推進している。13年12月にエイチアイがロボットカー関連技術を持つZMPの第三者割当増資の一部を引き受け、14年2月にエイチアイがエイチアイ関西の株式を取得、14年4月にエイチアイが組み込み機器向けソフトウェア開発のユーアイズデザインの株式を取得した。   今期(14年12月期)の連結業績見通しは前回予想(1月31日公表)を据え置いて、売上高が前期比2.4%増の37億75百万円、営業利益が63百万円(前期は69百万円の赤字)、経常利益が36百万円(同68百万円の赤字)、純利益が同39.3%減の26百万円としている。   第2四半期累計(1月~6月)はUI/UX事業でのモバイル向けロイヤリティ収入の減少など減収・営業赤字だったが、ほぼ計画通りの進捗として、通期ベースではコンテンツソリューション事業での法人向けグラフィクス関連強化、クリエイターサポート事業での「CLIP STUDIO」シリーズ拡販、UI/UX事業での関西圏営業強化、さらに製品開発の効率化や原価管理の徹底などで増収営業黒字化を見込んでいる。純利益は法人税等の関係で減益見込みだ。グループ共通コアエンジンの開発にも着手し、開発効率の向上を目指す方針だ。   株価の動きを見ると、8月7日の直近安値393円から反発し、さらに8月22日にはストップ高水準の519円まで急伸した。自動運転車ベンチャーのZMPが15年をめどに東証マザーズに株式上場方針との日経報道を受けて、当社が従来からZMPとロボット制御用ユーザー・インターフェースなどの共同開発に取り組み、13年12月にZMPが実施した第三者割当増資の一部を引き受けていることを材料視したようだ。   8月25日の終値519円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS3円90銭で算出)は133倍近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS340円55銭で算出)は1.5倍近辺である。週足チャートで見ると一旦割り込んだ13週移動平均線と26週移動平均線を一気に回復した。自動運転車関連という旬のテーマであり、人気持続の可能性があるだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
グラフィクス制作支援や電子書籍関連のアートスパークホールディングス<3663>(東2)の株価は、8月25日にストップ高水準の519円まで急伸した。
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2014-08-26 09:00