アドアーズは下値固めが完了して強基調に転換、カジノ関連を材料視して動意の可能性

  アミューズメント事業や不動産事業を展開するアドアーズ <4712> (JQS)の株価は、8月8日の直近安値132円から切り返し、8月22日には158円まで上伸した。下値固めが完了して強基調へ転換する形のようだ。今期(15年3月期)の減益見通しは織り込み済みであり、カジノ関連を材料視して動意の可能性があるだろう。   13年2月に、親会社Jトラスト <8508> グループで戸建て住宅分譲や商業建築など展開するキーノート、アミューズメント施設向け景品製作・販売など展開するブレイクを子会社化し、Jトラストグループ内で建築・不動産事業とアミューズメント事業の中核を担う位置付けとなった。アミューズメント事業ではメダルゲームジャンルを注力分野として収益改善を目指し、不動産事業では新設のアセット部門を強化している。   8月11日に発表した今期(15年3月期)第1四半期(4月~6月)の連結業績は、売上高が前年同期比4.8%増の56億85百万円で、営業利益が同27.4%増の3億60百万円、経常利益が同26.2%増の3億31百万円、純利益が同10.0%減の2億50百万円だった。アミューズメント施設運営部門が低調だったが、一戸建て分譲部門や不動産アセット部門の好調が寄与して大幅営業増益だった。   セグメント別に見ると、アミューズメント事業は売上高が同13.1%減の36億86百万円で、営業利益(全社費用等調整前)が同27.4%減の2億63百万円だった。スマートフォン等の無料ソーシャルゲームや消費増税の影響などで既存店売上高が同92.1%と低調だった。1店舗を閉店して第1四半期末時点の店舗数は55店舗となった。   不動産事業は売上高が同2.6倍の18億51百万円、営業利益が同8.6倍の2億45百万円だった。一戸建て分譲部門で消費増税前駆け込み需要が集中したため一部物件の完工引き渡しが第1四半期にずれ込んで売上計上され、営業エリア拡大施策も寄与した。不動産アセット部門では法人向け不動産案件の安定した賃料収入が寄与した。商業建築事業は業界価格競争激化の影響で売上高が同69.2%減の1億46百万円、営業利益が7百万円の赤字だった。   通期の連結業績見通しは前回予想(5月13日公表)を据え置いて売上高が前期比4.3%増の240億円、営業利益が同31.7%減の9億円、経常利益が同35.8%減の7億50百万円、純利益が同47.0%減の5億円、配当予想は前期と同額の年間2円(期末一括)としている。   通期見通しに対する第1四半期の進捗率は売上高が23.7%、営業利益が40.0%、経常利益が44.1%、純利益が50.0%と高水準だが、アミューズメント事業で無料ソーシャルゲームの影響、不動産事業の一戸建て分譲部門で消費増税の影響があり、前期の利益を大幅に押し上げた不動産事業の不動産アセット部門の収益平準化を見込んでいるようだ。   アミューズメント施設の既存店売上高(前年比、速報値)を見ると、14年7月度は93.1%で6月の90.4%から改善したが、消費増税も影響してやや低調のようだ。ただし不動産事業の好調が牽引して中期的に収益改善が期待されるだろう。   株価の動きを見ると、上値を切り下げて安値圏でモミ合う展開だが、5月安値123円水準まで下押す動きは見られない。そして足元では8月8日の直近安値132円から切り返し、8月22日には158円まで上伸して下値固め完了感を強めている。今期の減益見通しは織り込み済みであり、カジノ関連が材料視されている可能性もあるだろう。   8月25日の終値151円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS3円59銭で算出)は42倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間2円で算出)は1.3%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS78円77銭)は1.9倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線を回復して上伸した。週足チャートで見ると戻りを押さえていた13週移動平均線に続いて、26週移動平均線も突破の動きを強めている。下値固めが完了して強基調へ転換する形であり、カジノ関連を材料視して動意の可能性があるだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
アミューズメント事業や不動産事業を展開するアドアーズ<4712>(JQS)の株価は、8月8日の直近安値132円から切り返し、8月22日には158円まで上伸した。下値固めが完了して強基調へ転換する形のようだ。
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2014-08-26 09:00