【為替本日の注目点】ロシア会談次第ではユーロ売り円買いも、ユーロ売り持ち拡大

 NY市場  ドル円は昨日早朝に104円49銭までドル高が進んだが、その後は急激なドル高に対する警戒感なども出て、利益確定のドル売りに押された。NY市場では103円86銭まで下落したが株価の反発などを手がかりに104円台に乗せて引ける。  ユーロドルはドイツifo景況感指数が予想を下回ったこともあり続落。一時は1.3190まで下落し、約11ヶ月振りの安値を記録。  株価は反発。企業買収のニュースなどを好感しダウは75ドル上昇。S&P500も一時は2000ポイントの大台に乗せたが、引けは1997ポイントと、上げ幅を縮小。  債券相場は反発。新築住宅販売が冴えない結果だったことなどが支援材料に。長期金利は2.38%台まで低下。  金は反落し、原油は続落。   7月新築住宅販売件数 → 41.2万件   ドル/円 103.86~ 104.06  ユーロ/ドル 1.3190 ~ 1.3211  ユーロ/円 137.09 ~ 137.30  NYダウ +75.65  → 17,076.87ドル  GOLD -1.30 → 1,278.90ドル  WTI -0.30    → 93.35ドル  米10年国債 -0.037  → 2.383%  本日の注目イベント  中   中国 7月景気先行指数   欧   プーチン大統領、関税同盟の会合に出席(ベラルーシ)   米   7月耐久財受注   米   6月FHFA住宅価格指数   米   6月ケースシラー住宅価格指数   米   8月消費者信頼感指数   米   8月リッチモンド連銀製造業指数     やはり昨日早朝のドル高は「行きすぎ」だったようです。104円台に乗せて、一気に104円49銭まで上昇した背景は参加者が少なかったことも理由の一つに挙げられそうです。ドル円は東京市場でも上値は重く、海外市場では103円84銭まで反落しましたが、それでも再び104円台前半の水準まで戻しており、104円の攻防が続くと予想されます。  今年1月以来の104円台に乗せたドル円ですが、週末のイエレン議長の講演内容に反応し、予想以上に利上げ観測が高まったことが背景でした。個人的には、昨日も述べましたが、ニュートラルな発言内容だったと受け止めていますが、他の専門家の意見では、FOMC議事録で早期利上げ観測が高まったことを「否定しなかった」ことが、ドル買いにつながったと説明していました。  どうもこの反応は為替市場限定だったようです。NY市場では株式市場に大きな動きはなく、昨日の日経平均株価も反応薄で、取引も低調でした。結局ドル円の急上昇は、101~103円のレンジを上抜けしたことが最大の理由として挙げられるのではないでしょうか。長期間にわたってレンジ取引が続いていたため、上抜けしたことで、それまで溜められていたエネルギーは大きいと予想され、その大きさに賭けたと言えなくもありません。ただレンジを上抜けしたことは事実であり、今後は年後半に向かってドルが上昇して行くシナリオは現実的になってきたと思います。  ドル高の流れは対ユーロでも鮮明です。昨日はドイツifo景況感指数が市場予想に届かなかったこともあり、ユーロドルは1.32を割り込み、1.3185レベルまで売り込まれました。ECBのドラギ総裁の発言からも、追加緩和の実施もあり得るとの感触は共有されています。やはり、今後は1.30に向けてユーロ安が進行すると予想するのが順当かと思います。シカゴの先物では、ユーロの売り持ちがさらに拡大しています。過去の欧州債務危機の時に比べ、まだユーロ売りの余地はあるとの意見もありますが、欧州債務危機と今では、ユーロに対する信頼度は大きく異なります。1.31からのユーロ売りには一段の注意が必要と考えています。  本日はベラルーシで、ウクライナとロシア大統領との会談もあります。ロシア軍の戦車がドネツク州の東南部に侵攻しているとの報道もあります。解決に向けた前進ができればユーロドルが買われ、ユーロ円も上昇すると考えていますが、解決への糸口が見い出せず決裂ということになると、さらにリスクが高まりユーロが売られるだけではなく、円が買われる展開があるかもしれません。本日のレンジは103円50銭~104円50銭と、上記会談を考慮し、ややワイドなレンジを予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は昨日早朝に104円49銭までドル高が進んだが、その後は急激なドル高に対する警戒感なども出て、利益確定のドル売りに押された。NY市場では103円86銭まで下落したが株価の反発などを手がかりに104円台に乗せて引ける。
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2014-08-26 09:30