FPGは収益拡大基調を評価して上放れのタイミング

  タックス・リース・アレンジメント事業を主力に総合金融サービスを展開するFPG <7148> の株価は、第3四半期累計(10月~6月)の好業績と、今期(14年9月期)配当予想の増額修正を好感する形で8月5日に1030円まで上伸した。その後は上値が重くなり950円~1000円近辺でモミ合う展開だ。ただし下値は徐々に切り上げている。収益拡大基調を評価してモミ合い上放れのタイミングだろう。   子会社(特別目的会社SPC)が運営するオペレーティング・リース事業の組成・販売・管理などを行うタックス・リース・アレンジメント事業を主力として、保険事業(保険仲立人)、M&Aアドバイザリー事業、プライベートバンキング事業、不動産関連事業なども展開している。   タックス・リース・アレンジメント事業は、航空機・船舶・海上輸送用コンテナなど大型輸送設備を主対象としてリース組成し、出資金販売に伴うSPCからの手数料収入を収益柱としている。販売ネットワークの開拓を積極的に進め、14年6月末時点で会計事務所1723、地銀等65行、証券会社14社と提携している。   13年11月には、独立系の大手航空機リースマネジメント会社であるアメンタム社(アイルランド)の株式25%を取得して資本業務提携し、航空機リース組成事業を強化した。そして14年6月にはアメンタム社と、航空機を対象にした日本型オペレーティング・リース第1号案件を組成した。   高収益オーナー企業や富裕層などの投資家に対して、各種金融商品・サービスを提供するワンストップ型総合金融サービス会社を目指し、収益構造の多角化に向けた取り組みも推進している。13年3月にFPG証券(旧フィンテックグローバル証券)を子会社化して証券業、13年6月に子会社FPGリアルエステートを設立して不動産関連事業、14年4月に第一投資顧問を子会社化(14年7月FPG投資顧問に商号変更)して投資顧問業に進出した。   7月30日発表の今期(14年9月期)第3四半期累計(10月~6月)連結業績は、売上高が前年同期比68.5%増の47億97百万円、営業利益が同85.2%増の27億36百万円、経常利益が同84.2%増の24億98百万円、純利益が同85.9%増の15億19百万円だった。   資金調達力が拡大して航空機を中心に積極的に組成を行った結果、オペレーティング・リース事業組成金額は同88.5%増の880億26百万円となった。そして顧客(投資家)からの需要が想定以上に高水準で推移し、出資金販売額は同63.5%増の299億94百万円となった。組成・販売コストの増加、人員増強に伴う人件費の増加などを吸収して大幅増益だった。   通期連結業績見通しについては前回予想(7月14日に2回目の増額修正)を据え置いて、売上高が前期比40.9%増の56億53百万円、営業利益が同45.0%増の30億22百万円、経常利益が同41.6%増の27億78百万円、純利益が同43.4%増の17億円、そしてオペレーティング・リース事業組成金額は同55.5%増の1586億10百万円、出資金販売額は同86.0%増の348億64百万円の計画としている。   配当予想は7月30日に4円増額修正して年間20円50銭(期末一括)とした。13年6月1日付の株式3分割を考慮すると実質的に前期比4円16銭増配となる。   投資家がリース事業に出資するか否かの意思決定は、投資家自身の業績動向が判明する決算月近くに行われる傾向があるため、当社の売上高は第2四半期(1月~3月)および第4四半期(7月~9月)に集中する傾向が強い収益構造である。ただし今期に関しては想定以上に旺盛な投資家からの需要に対応するため、第4四半期に販売予定だった出資金を一部前倒しで第3四半期(4月~6月)に販売したため、現時点では第4四半期よりも第3四半期に偏重する見通しとして、通期連結業績見通しを据え置いたようだ。   ただし信用力向上に伴って、全国の会計事務所や金融機関からの顧客(投資家)紹介が一段と増加傾向であり、出資金販売額が大幅に増加して業容拡大に伴う人件費や経費の増加を吸収する。通期見通しに対する第3四半期累計の進捗率は売上高が84.9%、営業利益が90.6%、経常利益が89.9%、純利益が89.4%、そして出資金販売額が86.0%と高水準である。第3四半期の前倒し販売を考慮しても、通期3回目の増額が濃厚だろう。   10年9月JASDAQ市場上場、11年10月東証2部市場上場、12年10月東証1部市場への指定替えによる信用力向上、公募増資や利益積み上げによる財務体質強化、提携会計事務所・金融機関の積極開拓などが寄与して、金融機関からの資金調達力、リース事業の案件組成能力、そして販売提携先からの紹介を含めた投資家に対する出資金販売力が大幅に強化されている。ワンストップ型総合金融サービス会社を目指して参入した新規分野も寄与して、中期的に収益拡大基調だろう。   株価の動きを見ると、6月~7月の900円~950円近辺でのモミ合い展開から、7月30日発表の第3四半期累計の大幅増収増益と配当予想の増額修正を好感する形で8月5日に1030円まで上伸した。その後は上値が重くなり、概ね950円~1000円近辺でモミ合う展開だ。ただし下値は徐々に切り上げている。   8月26日の終値977円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS61円74銭で算出)は15~16倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円50銭で算出)は2.1%近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線がサポートラインとなって徐々に下値を切り上げている。また週足チャートで見ると13週移動平均線に続いて26週移動平均線突破の動きを強めている。収益拡大基調を評価してモミ合い上放れのタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
タックス・リース・アレンジメント事業を主力に総合金融サービスを展開するFPG<7148>(東1)の株価は、第3四半期累計(10月~6月)の好業績と・・・。
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2014-08-27 09:15