新日本建物は5月安値に並んで下げ渋り、調整が一巡して反発のタイミング
マンション・戸建販売の新日本建物 <8893> (JQS)の株価は、6月の54円で戻り一服の形となり、第1四半期(4月~6月)の営業赤字も影響して8月11日に41円まで調整して5月安値に並んだ。ただし8月11日は終値で44円まで切り返し、その後も下げ渋りの動きを強めている。5月安値と8月安値が下値支持線となりそうだ。調整が一巡した形であり、収益改善見通しを評価して反発のタイミングだろう。
首都圏地盤の不動産デベロッパーで、流動化事業(他デベロッパー向けマンション用地販売)、マンション販売事業(自社開発物件の分譲、新築マンションの買取再販)、戸建販売事業(戸建住宅・宅地分譲)、その他事業(不動産賃貸や建築工事請負)を展開している。
10年11月に提出した事業再生計画に基づいて、マンション販売事業の買取再販、流動化事業の専有卸、戸建住宅販売事業を主力として経営再建に取り組んでいる。そして前期(14年3月期)は事業再生計画決定後3期連続の最終黒字を達成し、自己資本比率は27.5%まで改善した。
8月8日に発表した今期(15年3月期)第1四半期(4月~6月)の業績(非連結)は、売上高が前年同期比59.1%減の11億38百万円で、営業利益が1億07百万円の赤字(前年同期は11百万円の黒字)、経常利益が1億59百万円の赤字(同14百万円の赤字)、純利益が1億60百万円の赤字(同15百万円の赤字)だった。
流動化事業の販売が0件(前年同期は1件で売上高8億06百万円)となり、マンション販売戸数は同20戸減の15戸、戸建販売棟数は同15棟減の12棟となった。消費増税の影響などに加えて、戸建販売事業では一部建築工事の遅延も影響した。ただし売上総利益率は18.4%で同6.2ポイント上昇した。大幅減収で営業赤字だったが、採算改善は進展しているようだ。
なお第1四半期末時点の有利子負債残高は48億17百万円で前期(14年3月期)末比5億41百万円減少した。自己資本比率は28.2%となり、同0.7ポイント上昇した。財務面の改善は着実に進展しているようだ。
通期の業績(非連結)見通しは前回予想(5月9日公表)を据え置いて、売上高が前期比14.4%増の123億円、営業利益が同1.2%増の6億70百万円、経常利益が同7.5%減の4億05百万円、純利益が同7.5%減の4億円としている。
一部では消費増税の影響もあるが、首都圏の分譲住宅市場は概ね堅調に推移する見込みとしている。売上面では、流動化事業が第2四半期(4月~6月)以降の販売予定で同6億円増加、戸建販売事業が同8億円増加の計画である。流動化事業の伸長や販売効率の改善などで増収営業増益の見込みだ。
なお7月14日に戸建販売事業「三鷹大沢プロジェクト(仮称)」(東京都三鷹市)の事業用地取得を発表し、総区画数22区画、引き渡し時期15年2月予定としている。また8月7日に戸建販売事業「白楽プロジェクト(仮称)」(神奈川県横浜市)の事業用地取得を発表し、総区画数4区画、引き渡し時期15年1月予定としている。
株価の動きを見ると、6月20日と23日の54円で戻り一服の形となり、8月上旬の地合い悪化や第1四半期の営業赤字も影響して8月11日に41円まで調整し、5月19日の年初来安値41円に並ぶ場面があった。ただし8月11日は終値で44円まで切り返し、その後も40円台半ばの水準で推移して下げ渋りの動きを強めている。
8月26日の終値44円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS4円02銭で算出)は10~11倍近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS15円98銭で算出)は2.8倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線が戻りを押さえる形で水準を切り下げたが、5月安値と8月安値が下値支持線となりそうだ。調整が一巡した形であり、反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
マンション・戸建販売の新日本建物<8893>(JQS)の株価は、6月の54円で戻り一服の形となり、第1四半期(4月~6月)の営業赤字も影響して8月11日に41円まで調整して5月安値に並んだ。
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2014-08-27 09:15