テラは8月直近安値から切り返して短期調整一巡感、中期成長力を評価して水準切り上げ

  バイオベンチャーのテラ <2191> (JQS)の株価は、7月の戻り高値2187円から利益確定売りで反落し、全般地合い悪化も影響して8月8日の1305円まで調整した。ただし8月26日には1600円台まで切り返して短期調整一巡感を強めている。強基調へ転換の動きであり、中期成長力を評価して水準切り上げの展開となりそうだ。   東京大学医科学研究所発のバイオベンチャーで、細胞医療事業(樹状細胞ワクチン「バクセル」を中心とした独自開発のがん治療技術を契約医療機関に提供)を主力として、医薬品事業(樹状細胞ワクチン「バクセル」の薬事承認取得に向けた開発活動)、および医療支援事業(研究機関・医療機関から受託する細胞加工施設の運営・保守管理サービス、細胞培養関連装置の販売、治験支援サービス)を展開している。   細胞医療事業は症例数に応じた収入が収益柱で、14年6月末時点で契約医療機関数は全国34カ所、契約医療機関における累計症例数は約8250症例に達している。   成長に向けたM&A・アライアンス戦略も加速している。13年4月iPS細胞による再生医療実用化を目指すヘリオスに出資、13年5月がん新薬を中心とした治験支援事業に参入するため子会社タイタンを設立、13年7月アンジェスMG <4563> と子宮頸がんの前がん病変治療ワクチンの共同研究・開発基本契約を締結、13年12月iPS細胞を利用したがん免疫細胞療法の開発に向けてヘリオスと業務提携した。   さらに14年1月樹状細胞ワクチン「バクセル」の膵がんにおける再生医療等製品としての薬事承認取得を目指して子会社テラファーマを設立、14年2月ゲノム診断支援事業に向けてゲノム解析ソフトウェア開発のジナリスと合弁子会社ジェノサイファーを設立、14年4月組織培養用培地のパイオニアであるコージンバイオに5.6%出資して資本業務提携した。   8月5日には少額短期保険業者のミニンシュラーの全株式を取得して連結子会社化した。保険事業に参入し、がん免疫細胞療法を含む最先端のがん治療に対応した保障を提供する。なお14年12月1日付で同社商号をテラ少額短期保険に変更する。   8月5日に発表した今期(14年12月期)第2四半期累計(1月~6月)連結業績(8月1日に減額修正)は、売上高が前年同期比19.2%増の10億31百万円だが、営業利益が1億05百万円の赤字(前年同期は1億42百万円の黒字)、経常利益が1億25百万円の赤字(同1億32百万円の黒字)、純利益が1億29百万円の赤字(同46百万円の黒字)だった。   売上面では、医療支援事業は細胞培養関連装置の大型案件の新規受注が寄与して増収だったが、細胞医療事業は症例数の伸び悩みで減収だった。利益面では、樹状細胞ワクチン「バクセル」の薬事承認取得に向けた開発活動が本格化して経費が増加したため、営業赤字だった。   通期の連結業績見通しについても8月1日に減額修正して、売上高が前期比32.5%増の20億40百万円だが、営業利益が3億16百万円の赤字(前期は23百万円の黒字)、経常利益が3億51百万円の赤字(同24百万円の赤字)、純利益が3億24百万円の赤字(同58百万円の赤字)としている。   細胞医療事業での症例数伸び悩み、樹状細胞ワクチン「バクセル」の薬事承認取得に向けた経費増加、新規事業立ち上げ費用などが影響する。ただし樹状細胞ワクチン「バクセル」薬事承認取得に向けた開発を加速させており、中期成長に対する期待感が高まる。   株価の動きを見ると、5月安値978円から7月戻り高値2187円まで切り返した。その後は利益確定売りで反落し、全般地合い悪化も影響して8月8日の1305円まで調整した。ただし8月8日の直近安値から、8月26日には1600円台まで切り返して短期調整一巡感を強めている。再動意の構えのようだ。   8月26日の終値は1600円だった。日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると26週移動平均線を突破して強基調へ転換の動きを強めている。中期成長力を評価して水準切り上げの展開となりそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
バイオベンチャーのテラ<2191>(JQS)の株価は、7月の戻り高値2187円から利益確定売りで反落し、全般地合い悪化も影響して8月8日の1305円まで調整した。
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2014-08-27 09:15