【為替本日の注目点】米景気好調で市場全体がドル高に、ユーロドル1年ぶりの安値
NY市場
ドル円は104円台が重く、ドル売りに押されながらも底堅い展開。消費者信頼感指数など、経済指標が軒並み良好だったことから104円17銭まで上昇し、104円台で引ける。
ユーロドルは約1年振りとなる1.3164まで下落。ユーロ圏と米国との景気の違いが明らかだとし、ECBによる追加緩和観測が強まった。
株式市場は続伸。良好な経済指標を好感し、ダウは29ドル上昇し1万7100ドル台を回復。S&P500も引け値で初めて2000ポイント台と、最高値を更新。
債券相場は小幅に反落。利上げ観測を徐々に織り込み、長短の金利差は縮小。長期金利は2.39%台まで上昇して引ける。
金、原油はともに反発。
7月耐久財受注 → +22.6%
6月FHFA住宅価格指数 → +0.4%
8月消費者信頼感指数 → 92.4
8月ケースシラー住宅価格指数 → +8.10%
8月リッチモンド連銀製造業指数 → 12
ドル/円 103.85~ 104.17
ユーロ/ドル 1.3164 ~ 1.3208
ユーロ/円 137.01 ~ 137.40
NYダウ +29.83 → 17,106.70ドル
GOLD +6.30 → 1,285.20ドル
WTI +0.51 → 93.86ドル
米10年国債 +0.015 → 2.398%
本日の注目イベント
独 独7月GFK消費者信頼感
昨日は多くの米経済指標が発表されましたが、景気の回復を示すものが多く、日米欧では明らかに米国の景気が頭一つ抜け出ていることが確認された格好です。その中でも耐久財受注が過去最大の伸びを見せたことや、消費者信頼感指数も7年ぶりの高水準を示したことで、ドル円は再び104円台を回復して戻って来ました。
米商務省が発表した7月の耐久財受注は前月比「22.6%増」と、過去最大の伸びを見せました。これは英国で開かれた航空ショーで、民間航空機の受注が前月比318%の増加率だったことが大きく影響しているそうですが、やや驚きでした。また、コンファレンス・ボードが発表した8月の消費者信頼感は「92.4」と、こちらは2007年10月以来の高水準でした。
これらの経済指標を好感し、S&P500は最高値を更新しています。ダウ指数だけではなく、S&P500が高値を更新したことで、一部のブルーチップだけではなく、多くの株式がまんべんなく買われていることを意味します。米景気の好調ぶりを示す一例と見ることができます。104円台では上値が重いドル円ですが、東京時間帯ではドル売り意欲が強く下落するものの、NY時間帯では買い戻される展開が続いています。上で述べた様に、良好な経済データがドル買いにつながっているからです。
ドル円は103円台まで売られますが、103円70-80銭辺りがサポートされているように思え、徐々に下値を固めていると見られます。ドル円が上昇する背景には、ユーロドルが下落傾向を強めていることにも影響されています。ユーロドルは1.3164まで売られ、市場全体が「ドル高」に傾いていることで、円も売られ易い状況になっています。
今日の注目点は、上値の重い東京時間帯で104円台が維持されるかどうかです。すでに何度か104円台での取引も行われていることから、徐々に104円台でのドル売り圧力も弱まってくると思われます。地政学的リスクもあることから、まだ円が買われる場面もありそうですが、こちらも徐々にこなしているように見受けられます。
注目されたロシアとウクライナのトップ会談は、今朝の新聞では「溝は埋まらない」という論調でしたが、ブルムーバーグは、プーチン大統領は会談について「前向き」なものだったとの見解を明らかにしたとし、会談後に、「ロシアはこの和平プロセスのために、あらゆることを行うだろう」と述べた、と伝えています。本日のレンジは103円70銭~104円50銭程度と予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は104円台が重く、ドル売りに押されながらも底堅い展開。消費者信頼感指数など、経済指標が軒並み良好だったことから104円17銭まで上昇し、104円台で引ける。
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2014-08-27 09:15